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【歴史】 「地伝酒」とは太古から出雲地方に伝わり、造り続けられた独特の酒であり、1943年頃戦時の統制経済で廃絶した幻の銘酒です。 地伝酒は古くはもっぱら飲料とされていましたが、後には調味酒として利用され、野焼きかまぼこ・宍道湖七珍料理など出雲の食文化形成に大きな役割を果たしてきました。 1938年発刊の「出雲新風土記」(松江商工会議所専務・太田直行著)には、地伝酒は、煎り酒、鴨の貝焼き、出雲そばのつゆ、うなぎのたれなどに使ったと配合まで、こと細かく記され、出雲の郷土料理の基調をなすといっても過言ではないと書かれています。 【復活】 当時の地伝酒の製法や味を知る人が少なくなり、もろみの酸を中和し、地伝酒独特の香りを出すために仕上げの段階で入れる木灰の精製方法など、地伝酒を復活させるならば今しかないという状況でした。 資料収集や試験醸造を続け、このたび50年ぶりに「MATSUE流の会」で地伝酒の復活をすることができました。 →もっと詳しく!!(下記へ) 【製造方法】 地伝酒はもち米をふんだんに使い、米麹は日本酒の2倍、仕込み水は日本酒の約半分と大変濃厚な造りをします。 できるまでの期間は約3か月と長く、じっくり寝かせ完全発酵させて、上澄みができたら秘伝の木灰を加えてしぼります。 木灰で酸を中和させるため赤みを帯びた酒となります。 (酒税法では1/1000以上の木灰を入れるよう規定されています。) →「出雲地伝酒」の酒造り風景(下記へ) 【特徴】 地伝酒は食用油のように濃く、甘く、旨味の強い、日本酒と味醂の両方の特徴をもつ酒です。 甘味は味醂の約半分で、旨味は日本酒の3倍から5倍もあります。 また赤くなるのは弱アルカリ性のため、糖とアミノ酸が結合するためです。 地伝酒にはグルコースとアミノ酸が多く、また木灰を使いますので弱アルカリ性となり、しかも木灰の成分であるカリウム、ナトリウム、リン酸などが多量に含まれています。 これらの成分はかまぼこの品質改良剤として大変有効な成分であって、グルコースとアミノ酸はかまぼこの旨味を増し、しかも焼き上げた時の色艶をよくし、香ばしい香りの源をつくりだします。 また弱アルカリ性は魚の生臭の原因であるアミン類を揮発させる効果があり、カリウム、ナトリウム、リン酸類は魚肉蛋白の保水性をよくし粘弾性を増す性質があります。 これらの効果があるため料理の素材を引き立て、大変おいしく味わうことができるようになります。 【使い方のポイント】 1.甘味はみりんの半分でマイルド。 2.うま味は酒の約4倍で独特のコクがでる。 3.酒とみりんの両方の性質を持つが、酒の感覚で使う。 4.うす味の料理ができ、素材を生かすことができる。 5.生臭みをとる、特に焼き物や煮物など加熱するものに効果が大きい。 6.冷凍食品にうま味を加え美味しく仕上がる。 7.材料をやわらかくする。 8.材料を引き締め、煮くずれしにくい。 9.料理にツヤを与える。 10.色は赤みを帯び、独特の香りがある。