松江の銘酒、豊の秋 - 「豊の秋」醸造元 米田酒造株式会社

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蔵人は今

2016年2月のアーカイブ

大吟醸の袋吊り

酒蔵はいま | 2016年2月27日

こんにちは、蔵人の柴田です。
今週は大吟醸の搾りの一週間でした。
確実に今酒造期の中で一番ハードな一週間でした。
米田酒造では大吟醸は袋吊りという特別な方法で搾ります。
袋吊り自体は一回一時間ぐらいで終わるのですが、
その前後の作業や、大吟醸以外のお酒の上槽も重なり、疲労困憊です。20160226-6.jpg
まず、タンクから醪を出し、ひしゃくでくみ、ため桶で運びます。
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それを専用の酒袋に注ぎ、
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ぎゅっと縛って
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持ち上げます。
この醪の入った袋が重たいんですよ。そして、冷たいんですよ。20160226-1.jpg
上から見るとこんな感じ。
たくさんの袋が吊るされていきます。
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酒袋から滴り落ちたお酒を斗びんに採取します。
大吟醸斗びん取りはここからきています。

僕が入社した数年前は、「大吟醸の袋吊り」といったら
もっとピンとした緊張感があって新人のぼくなんかはドキドキしたものですが
ここ最近は、緊張感は保ちつつ、いい意味でなごやかな空気の中、袋吊りが行われています。

袋吊りが終わると今年の酒造りも終わりが近づいてきました。
残り約一カ月、造りが終わって、楽しくおいしいお酒が飲めるのを楽しみにがんばります。
 

ニューヨーク、東京でのお酒の紹介

酒蔵はいま | 2016年2月16日

こんにちは、野田です。
寒い時期のお酒の販売というのは年末がいちばんの繁忙期になるのですが、年を明けると一段落し、ちょっと落ち着いた毎日になります。
一方で酒造りのほうは年明けからだんだんと佳境に向かっていき、「蔵イマックス」を迎えます。疲労がピークになってくる時期でもあり、盛り上がりを見せる時期でもあります。

そんな最中、しばし会社を離れて数ヵ月ぶりにニューヨークへ行って参りました。
県庁所在地で島根県のザ・シティとはいえ、ドがつく田舎町のわれらが松江市から比べれば、到着した途端に異世界です。なかなかエキサイティングですよね。
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なおこの日のニューヨークのランドマーク、エンパイア・ステート・ビルディングはキング牧師の功績を讃えた祝日(Martin Luther King Jr. Day)ということでいつもと違ったライティング。


今回もたくさんのお店を伺ってきました。
おかげさまでアメリカ本格上陸からほどなくして、ニューヨークでは豊の秋を楽しめるお店が増えています。
マンハッタンの日本食レストランだけでなく、写真は少し郊外に出たブルックリンのレストランにて。小皿に盛られたのはなんと宍道湖産のアイスフィッシュ!しらうおです。もう松江の居酒屋そのままですね。
※画像はinstagramから拝借しました。
2016.01 1or8(Brooklyn NY).JPG

また当初の滞在スケジュールにはなかったのですが、良い機会をいただいて「特別純米酒」と「金五郎」の燗酒テイスティング会を開催!
東京の亀戸で手に入れたというクラシカルな酒燗器がかっこいいです。しかも畳。
※この画像もネットにご掲載いただいたのを拝借。
2016.01 AZASU燗酒試飲会(NY).JPG
一晩に2店舗でやらせていただき、非常に良い反応を直に感じることができました。

アメリカに豊の秋を持って行ったばかりのとき、試飲会で燗酒の提供をした話をすると「高級なお酒はワイングラスで飲むから」「お燗は面倒だから売れないんじゃないの?」と言われたこともありました。もちろん豊の秋は冷酒でも美味しく飲めますが、せっかくなら違う温度帯での飲み方が選択肢のひとつにしてもらえるレストランはとてもありがたい存在です。ニューヨークの環境は日本酒にとって追い風です。これからの新しい可能性を感じました。
純米クラスでも現地に到着すると、流通の関係でとても高価になってしまう日本酒ですが、ボーダレスに旨いと感じてもらえるのであれば勇気を持ってお湯に浸けてもらえたら嬉しいです。

さて、くたくたになりながらも充実した1週間。
いざ帰国、というときに東海岸を襲った暴風雪でフライトがキャンセルになってしまいました。外出もままならない状態で急遽もう1泊するはめに。
1年前のちょうど同じ時期はマイナス20度くらいの記録的な寒さのニューヨークでしたが、今回はまたも「記録的な」大雪ということ。日頃の行いが良くないんですかね?笑
非常事態宣言で車の運転が制限された街中では、マンハッタンの中心部にもかかわらずそり滑りの光景も。なかなか希有な体験です。
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ちなみに25インチで60センチメートルくらいです。
(単位換算が間違っており、何人かに「6メートル積もったよ!」なんて大嘘をついていました。ごめんなさい。)


少々トラブルはありましたが無事に帰国後、2月の一大イベント「立春朝搾り」を終えると今度は東京へ。
1月から蔵出ししましたトヨノアキ アカの新酒、27BYうすにごりの紹介をしてきました。
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トヨノアキ アカ 生原酒うすにごり (純米 島根県産五百万石100%)
アルコール分/17.8% 日本酒度/+6.0 酸度/1.9 アミノ酸/1.7
精米歩合/麹米:65%、掛米:70% 使用酵母/協会901号

豊の秋のにごり酒というと、「本醸造にごり酒」のように醗酵途中のもろみの生命力を感じるようなしっかりとした味わいと濃さが魅力的でしたが、「もっと上品な味わいのにごりはできないか?」「せっかくなら純米で」ということで、このたび木槽搾りの際に自然の重みで最初に流れ出る「あらばしり」だけを別取りしたうすにごりが完成しました。このタイプのにごり酒は、米田酒造では初めての試みです。
上槽直後に試飲して「おっ」と思い、自宅で改めて開栓して納得しました。美味しいです。
ひとつ、炭酸ガスの発生で吹きこぼれの懸念があったため、念には念をと裏ラベルに「きりりと冷やしてお試しください」と載せてしまったのですが、後々に試してみると、ぬるめのお燗なんかもいけます。さらに温度を上げていくと甘味に加えてキレの良さが引き立ち、合わせる料理の幅がぐんと広がります。お酒の可能性を限定してしまうのは良くないですね。反省です。

数に限りがあるためなかなか遭遇できないかもしれませんが、お見かけしたらぜひ試してみて下さい。
→そのほかのラインナップはこちら

蔵に戻ると改良雄町の留添えが終わっており、「ミドリもろみ」になっていました。
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今年も総米200kgの超小仕込みのため、醗酵タンクは酒母用を使用しています。小さくなるほど管理はとても繊細で、おやっつぁんと話していると「大吟醸の管理より気を遣うよ~」とのこと。後ろのタンクにチョークで細かく温度変化が記入されています。昨晩は深夜まで検温していたようでした。
まずは仕込みのおよそ半分が「トヨノアキ ミドリ 生原酒」として春頃に蔵出し予定です。

惜しみなく手間ひまかけた島根県産米シリーズ、おもしろくなってきました。
ワインの世界の「テロワール」という言葉が一般的になり、日本酒もある面ではそういう方向性が見えてきたような気がしていましたが、結局のところ地酒括りで言えば、日本酒には当たり前にテロワールと呼べる素地があって当たり前にやってきたんじゃないかと思うようになりました。あとは純度を上げていったり、よりコンセプチュアルに取り組んでいったりというほんのちょっとしたことなのではないかなと。
加えて、限定シリーズでのチャレンジングな取り組みが定番酒にもフィードバックできれば、ますますおもしろくなりそうな予感がしています。


今年もハイスピードに駆け抜けます!素晴らしい島根の、松江の、米田酒造の味わいをお届けできるようがんばります。

 

立春朝搾り

酒蔵はいま | 2016年2月8日

こんにちは、蔵人の柴田です。
2月4日、今年も無事「立春朝搾り」が終わりました。
「立春朝搾り」は立春の日に搾らなければいけないという決まりがあるため、
他のお酒以上に醪管理に気を使うお酒です。
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まさに搾った直後、深夜から早朝にかけて瓶詰め作業を行いました。
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今年も山陰各地の酒販店さんに集まっていただき、レッテル貼りのお手伝いをしてもらいました。
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普段は数人しかいない瓶詰め場もこの日はたくさんの人であふれました。
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次々とできあがっていく「立春朝搾り」
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こちらはお米を洗ったり蒸したりする洗い場。
須衛都久神社の神主さんにお祓いをしていただきました。
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毎年、個人的にも「立春」のお酒を楽しみにしているのですが、
今年の「立春」は今までの中で一番でした。(あくまで個人的感想です)
すごく飲みやすくて、ついついもう一杯といっちゃいそうなおいしさでした。
立春の日しか飲めないのは惜しいぐらいです。
飲まれたみなさんの感想もぜひ聞きたいです。

立春が終わると酒造りもいよいよ後半戦、今は特別純米酒の仕込みをしているところです。