酒蔵はいま | 2021年3月31日
米田酒造では「出雲地伝酒」という料理酒を造っています。これは、もち米を米こうじで糖化し、それを酵母によってアルコール発酵させていてるので日本酒と同じ醸造酒(酒税法では雑酒)に分類されます。うるち米ではなくもち米を使うところが日本酒よりもみりんっぽいところですが、みりんは酵母によるアルコール発酵がないのでみりんとも違うという、日本酒とみりんのハイブリッドのようなお酒です。
さて、造り方は、まず酒母を造り、そこに水と米こうじと蒸したもち米を混ぜるという日本酒と同じ三段仕込みを行います。ここで日本酒と大きく違うのは、米こうじが日本酒の2倍、仕込み水が日本酒の約半分という大変濃厚な造りになっているところです。なので仕込みの時にモロミをかき混ぜるのもままなりません。
少ない水分の中で蒸したもち米と米こうじを均質に混ぜるのは難しいので、米こうじを蒸したもち米にまぶしながらタンクに送り出します。なにせ ”もち” なので、日本酒と同じ感覚で作業しますと機械がのどを詰まらせてしまいます。。
仕込み終盤の出雲地伝酒。すでに水気がありませんが、、
数日もすると、しっかり造った麹の作用でぐずぐずに溶け、酵母のアルコール発酵による炭酸ガスがプツプツとわき上がってきます。
出雲地伝酒のモロミはこの時からすでに日本酒のモロミに比べて赤味がかかっているのが分かるでしょうか。
このまま約三か月間をかけて発酵を続けさせ、料理の美味しさを引き出す成分をじっくりと醸しだします。そして搾る前に木の灰を入れるのが出雲地伝酒の最大の特徴ですがそれはまた別の機会にしたいと思います。
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雲州松江の風景 | 2021年3月15日
松江城山は桜の名所と知られていますが、裏手に回ると梅林や椿が群生する椿谷という場所があります。観光客の少ない、市民の散策の場です。
お城の正面の大手門からではなく、県庁の脇にある千鳥橋からのアクセスが便利です。
橋を渡って右の石段を上ると二の丸へ出ますが、左に行きます。
するとすぐに椿がお出迎えです。やや見頃を過ぎてました。。
広々とした遊歩道に人もまばらですが、野鳥の鳴き声や水鳥が立てる水音が聞こえてきてなかなか賑やかです。
この日は「椿まつり」があり、数品種の椿の植樹が行われていたようです。数年後が楽しみです。
椿谷を抜けると梅林があります。ここも見頃を過ぎてました。。。いよいよ桜にバトンタッチです。
酒蔵はいま | 2021年3月1日
大吟醸は袋吊りという方法で搾ります。モロミを詰めた酒袋を空中に釣り、重力で雫となって滴るお酒を集めます。機械を使って搾るときのように圧力を掛けないため、雑味の少ない味わいになります。
このように袋吊りで滴るお酒はそのまま斗ビンという1升瓶10本分の容量のガラス容器に溜めます。
斗ビンに満杯になるまで溜まったら、次のビンに替え、ってことを繰り返すこと約10本分。それぞれ、吊り始めからの時間経過ごとのお酒が集まっており、味が微妙に違います。そのどれを鑑評会に出すかっていうの見極めが結果を左右します。