「出雲の方言」を紹介するコーナー。
 みなさん、「ズウズウ弁」ってご存知ですか? 出雲の方言、「出雲弁」の別称です。「出雲弁」と言うよりも「ズウズウ弁」の方が通りがいいみたいですね(インパクトが大きいせい?)。
 では、「田舎言葉・ズウズウ弁」の日常会話をご披露いたしましょう♪(出雲へお越しの際には、ぜひ使ってください)
 併せて、出雲弁サイト「出雲弁の泉」もご覧下さい。登録語数も豊富で、しかも発音まで聞けちゃうんですよ♪
○出雲弁 ○標準語訳
〜泥おとし〜
〜泥落し(注)
「まぁじ まぇねち えなぎがちじくねー。」 「まあ毎日が良い天気が続きますね。」
「ほんねねー、おばばんとこは田植えは しんだかね。」 「本当に、お婆さんの家は田植えは終わりましたか。」
「あー、おかげさんで もうちょんぼしで おわーましじね。」 「あー、お蔭さんでもう少しで終わりますよ。」
「そげかね、えまんごろはなんでも機械でやらいだけん、はえことだねー。」 「そうですか、今頃はすべて機械で進められるので早いことですね。」
「おばばはんとこは しろみてやしんね どこぞへ えかっしゃーますかね。」 「お婆さんの家は、代満て休み(田植え後の休日)に何処か行かれますか?」
「えんやぁー。えまんごろは ふだんでかけーだけん、あんまぁ えかへんじね。」 「いいえ、今頃は普段出掛けるので余り行きませんよ。」
「ほーん。そげだわねー。むかしゃ ”泥おとし”ててえって、りんぽをつれだって 関へみゃったもんだがねー。そーが みんな楽しみでねー。」 「ほー。そうですね。昔は”泥おとし”と言って、隣保(近所)を誘って、関(美保関)へ詣ったものですのにねー。それが皆んなの楽しみでね。」
「そげそげ。会場ね旗が立っちょうときにゃ、誰んもがやしんでねー。えちもんわたし から 船で 泊まーがけで えきょったもんだわねー。」 「そうですね。会場(町内の集会所=今の公民館)に旗が立っている時には、誰もが休んでね、一文渡し(園町布崎の船川にかかっている独特の箱橋)から船で泊りがけで行ったものですねー。」
「そげだわ、ろくおんじの下東のおばばは、”泥おとし”の関で一目惚れさぇて、大田のほから 縁じかえたちーことだったねー。」 「そう言えば、鹿園寺町(園町)の下東のお婆さんは、”泥おとし”の美保関で一目惚れされて、大田市の方(近辺)から縁づかれたということでしたね。」
「あげいーことだねー。縁むすびの神さんは 大社の大黒さんばっかーだなて、関のえびっさんも ふとやく買っちょらいただーかね。」 「そう言うことですね。縁結びの神様は、出雲大社の大黒さんだけでなく、美保関の恵比須さんも一役買っていらっしゃったでしょうかね。」
「えまんごろは こげなはなしゃたいして 珍らしこたねだども、とおじは よおとさわーとこの話でもちきーでねー。」 「今頃はこんな話はそう珍しい事は無いけれども、当時は(その頃は)寄るとさわるとこの話でもちきりでしてねー。」
   
  (注):田植えでついた泥を落とすことで、慰労の旅行に行くこと。
 
※「出雲のことば早わかり辞典」(牧野辰雄氏著)に掲載されているコラム「こばしま」を引用させていただきました。コラム「こばしま」は、「平田だんだん」の会で昭和60年から平成2年まで発行されていた季刊情報紙「平田ふるさと情報」に掲載分と、「平田ふるさと情報」の編集委員の一人でもあった地元童話作家の常松秀延先生のオリジナルな書き下ろしを転載したものです。
 ”こばしま”とは、平田弁で「昼食と夕食との中間食で午後3時〜4時ごろの食」と言う意味で別に「はしま」とも言われいます。