「出雲の方言」を紹介するコーナー。
 みなさん、「ズウズウ弁」ってご存知ですか? 出雲の方言、「出雲弁」の別称です。「出雲弁」と言うよりも「ズウズウ弁」の方が通りがいいみたいですね(インパクトが大きいせい?)。
 では、「田舎言葉・ズウズウ弁」の日常会話をご披露いたしましょう♪(出雲へお越しの際には、ぜひ使ってください)
 併せて、出雲弁サイト「出雲弁の泉」もご覧下さい。登録語数も豊富で、しかも発音まで聞けちゃうんですよ♪
○出雲弁 ○標準語訳
七夕の笹投げ
小伊津の縄くうばなし
七夕の笹投げ
〜小伊津の縄くり話(注)
「今日はまげな しらくた(凪ぎ)だがねかや。えっちんち おみねおっても せわなしだねか。」 「今日は大変な凪(なぎ)じゃないか。一日海に居ても心配なしじゃないか。」
「あげだのー。そちんとこ きんにょは がいね あがったちーだねか。たいそ とえたかや。」 「そうだね。お前さんところは昨日は、大変多く漁があったというではないか。大層魚が獲れたかね。」
「ここんとこでは わーと えほぅだらぞな。 なんてて はえみて(縄の延べ始め)から、かかったげなけん。」 「最近では割合良い方だろうね。何と言っても縄の延べ始めから 掛ったそうだから。」
「ほんなら え たなばたさっしゃったの。」 「そんなら 良い七夕祭りをされたね。」
「そぎゃんこた ねだどもが。えまんごーは 七夕も町内でやーだだけん、あんまぁしたことも やーへんだだけん。」 「そう言う事は無いけれども。今頃は七夕祭も町内で行うので、あまりな事はやらないのだから。」
「昔しゃ えまとちがって めいめで 七夕しちょったけん、のんことも ほーらちだったどものー。」 「昔は今と違ってめいめい(各自)で七夕をしていたから、酒を飲むこともきりがなかったからねー。」
「あげだが。昔と変わった事 えわぁ、短冊えっぱえ つけた笹投げが ねやんなったわの。七夕のあくうあさ、めいめで こさえた笹を、波止から おみへ投げこんでのー、そーが えちまでも おかんどーと えことが あーちーで えっちょったもんだがのー。」 「そうだね。昔と変わったことと言うと、短冊を一杯つけた笹竹投げが無くなったね。七夕の翌る朝、各自で作った笹竹を、波止場から海へ投げ込んでねー、それがいつまでも浮かんでいると良い事(願いが叶うこと)があると言ったものだがねー。」
「ほんねのー。ぶらくぜんびが 笹投げこんだーけん、たいした数だわや。えまんごーは おみが汚れて えけんげで 町内で こぼしらと どこぞへ持ってえきてだが、おみは きれーだども おもっしぇことが ちょんぼ すくな なったの。」 「本当にねー。町内全部が笹竹を投げ込むのだから、相当な数だからね。今頃は海が汚れて悪いので、町内でそっとどこかへ持って行かれるが、海はきれいだけれども、面白い事が少し無くなったね。」
「そのかわーね、どっこの町内も カラオケやなんやで おそまで おたっちょってだけんの。こーが また おもっしぇことだわなん。」 「その替りに、どこの町内もカラオケや何かで夜遅くまで歌って居られるからね。これがまた面白いことだそうで。」
   
  (注):小伊津漁港で、甘鯛の延べ縄漁で使う縄(釣り用の太い糸)の整理をしながら老人方の話。井戸端会議の小伊津版。小伊津には独特の訛りがある。
 
※「出雲のことば早わかり辞典」(牧野辰雄氏著)に掲載されているコラム「こばしま」を引用させていただきました。コラム「こばしま」は、「平田だんだん」の会で昭和60年から平成2年まで発行されていた季刊情報紙「平田ふるさと情報」に掲載分と、「平田ふるさと情報」の編集委員の一人でもあった地元童話作家の常松秀延先生のオリジナルな書き下ろしを転載したものです。
 ”こばしま”とは、平田弁で「昼食と夕食との中間食で午後3時〜4時ごろの食」と言う意味で別に「はしま」とも言われいます。