「出雲の方言」を紹介するコーナー。
 みなさん、「ズウズウ弁」ってご存知ですか? 出雲の方言、「出雲弁」の別称です。「出雲弁」と言うよりも「ズウズウ弁」の方が通りがいいみたいですね(インパクトが大きいせい?)。
 では、「田舎言葉・ズウズウ弁」の日常会話をご披露いたしましょう♪(出雲へお越しの際には、ぜひ使ってください)
 併せて、出雲弁サイト「出雲弁の泉」もご覧下さい。登録語数も豊富で、しかも発音まで聞けちゃうんですよ♪
○出雲弁 ○標準語訳
〜ふだおっつあん
〜札打さん(注)
「あっ。あしこ。ふだおっつあんが通らっしゃあわ。」 「ほら、あそこに、札打さんが通っておられるわ。」
「どこねぇ。」 「どこにおられるの。」
「あしこだがの。お前の目は どこに ちいちょうかい。」 「あそこの所だが わからないの。あんたの目は、いったい どこについているの。」
「あっ。ほんね。ふだおっつあんだのう。」 「ああ 見えた 見えた。ほんとうに札打さんだね。」
「だれんも よんで こか。」 「じゃあ、みんなを呼んで来ようか。」
「えが えが。こにんじのほうがよけ もらわれけん えが。」 「そんなことせんでもいいよ。人数が少ない方が、土産がたくさんもらわれるから。」
「ほねや。ほんなら そげ しいか。」 「ほんとうにそうですね。じゃあ、呼ぶことはやめようか。」
「たいぶ こっちえ きちゃったぞ。おまえ さき えった。」 「ほら、だいぶん こちらの方へ来られたぞ。さ。お前さん、先に言いなさいよ。」
「えんや。お前から さき いいだが。」 「いや いや。わたしは、あとから言うからあんたが 先に 言いなさいよ。」
「ほんなら おらが いいけん おまえ あとから ちいて きたよ。」 「それじゃあ、わたしが先に言うから、あんたは、あとから つけて言いなさいよ」
「おん。」 「はい、はい。」
《ふしをつけて呼びかける》  

「ふだおっつあん。ふだおっつあん。めんめ がっしゃい。めんめが なけらにゃ ぜんぜ がっしゃい。ぜんぜが なけらにゃ たかばち とって なあげえぞ。」

「札打さん。札打さん。お菓子をくださいな。お菓子がなかったら、お金をくださいよ。お金がないようなら、あなたがかぶっておられる笠を取って、投げますよ。」
《札打ち だんだん近づく》  
「ふだおっつあん。ふだおっつあん。めんめ がっしゃい。めんげが なけらにゃ ぜんぜがっしゃい…。」 (繰り返す)
「あら こらまた、にくたらしやな。ええ こだねえ。さ、さ。て ださっしゃい。えぇこしてあそぶだじねえ。」  「まあ、まあ これはこれは。にくたらしいことを言うけど、いい子じゃないか。さ、手を出しなさい。お菓子をあげましょう。なかよくして遊ぶのだよ。」
「だんだん。あぁがとさんで ござえまし。」 「はい。ありがとうございます。」
「まじ まじ。じょうじね、れぃえってからね。えのちで えぐあいに しちけて ああはながのう。」 「まあ、この子たちは、じょうずにあいさつが出来ることよ。きっと、家で、立派な躾がしてあるのだね。」
「ふだおっつあんも きいちけてね。さぇなら。」 「札打さんも、気をつけて行きなさいよ。さようなら。」
   
  (注):「札打さん」とは、出雲33箇所のお寺へ、お札を納め、家内安全を祈ることで、近所の人が連れだって歩いた。田植えがすんだころに、行われることが多かった。
 
※「出雲のことば早わかり辞典」(牧野辰雄氏著)に掲載されているコラム「こばしま」を引用させていただきました。コラム「こばしま」は、「平田だんだん」の会で昭和60年から平成2年まで発行されていた季刊情報紙「平田ふるさと情報」に掲載分と、「平田ふるさと情報」の編集委員の一人でもあった地元童話作家の常松秀延先生のオリジナルな書き下ろしを転載したものです。
 ”こばしま”とは、平田弁で「昼食と夕食との中間食で午後3時〜4時ごろの食」と言う意味で別に「はしま」とも言われいます。