「出雲の方言」を紹介するコーナー。
 みなさん、「ズウズウ弁」ってご存知ですか? 出雲の方言、「出雲弁」の別称です。「出雲弁」と言うよりも「ズウズウ弁」の方が通りがいいみたいですね(インパクトが大きいせい?)。
 では、「田舎言葉・ズウズウ弁」の日常会話をご披露いたしましょう♪(出雲へお越しの際には、ぜひ使ってください)
 併せて、出雲弁サイト「出雲弁の泉」もご覧下さい。登録語数も豊富で、しかも発音まで聞けちゃうんですよ♪
○出雲弁 ○標準語訳
〜はでば
〜稲架け〜
「おおっ。さぶことだのう。ほうかぶうも 飛んでしまぁやな風だがのう。」 「おう、寒いことだ。ほうかぶりが吹き飛ばされるような風だなぁ。」
「お前さん。気ーちけらっしゃいよ。はでばから さでぼっけぇと ええかげんね骨が めげぇじね。」 「あんた。気をつけなさいよ。はでば(稲かけ)から落ちれば、大変な骨折になりますよ。」
「なにえわっしゃあ。もかしから えけじごで とおちょった おらだわな。そうだども 源光寺橋から飛んだときゃ しいごだまおって えたかったじい。」 「何を言っているんだ。昔から、いたずら小僧で名が売れておったわしだ。だが、源光寺橋から飛びおりた時は、尻をうって痛かったぞう。」
「ほんね おまえさんは みこみじだけんね。」 「ほんとうに、あなたは向こう見ずだから。」
「おかか あしこみ。となりのえけじ子が はでばを下から といちょうがな。あーでは おえのほうがとけんじ。だらちけたこと しちょうがのう。」 「かあさんあれを見て見ろ。隣のいたずら小僧がはでばを下から解いておるが。あれでは、上の方は解かれん。あほらしいことをしているが。」
「あえらぁ。ほんとね。はやこと おせえてあげぇだが。」 「あらあ。ほんと。早く教えてあげなさいよ。」
「おーぇ! おまぇ はでばとこくとしらんかや? おえからとくだがなぁ。したからときゃ おえがとけんだらが。なにや? おえは、おぞてえけんや。おまえ きもほそだのう。ほんなぁ
その しけかて ああやちほどくだが。 」
「おうい。はでば解くこと知らんのか。上から解かねばだめだ。下から解けば、上の方が解けないだろう。なに? 上はこわくていけないって。おまえは、度胸のないことだのう。それじゃ、その支柱を結んであるところを解けばいいよ。」
「えけじ子でも てごさかおもちょうけん かわえげがああわねぇ。おちん子らちゃ こたちね もぐうこんで出てこんがね。」 「いたずら子でも、お手つだいしようとおもっているから、可愛い気があるねえ。うちの子なんか、炬燵(こたつ)にもぐり込んで外へ出ようともせんのに。」
「はでばね 風があたぁと ピーピーなぁが、こえち聞くと なんてて えわれんがのう。」 「はでばに風が当たって、ピーピー鳴るが、これを聞くと、何とも言われん気がするのう。」
「ほんねね。わしが おまえさんとこへ来た時も がいな風でね。さぶてさぶて しーげんどこの話だなかったけんね。」 「ほんとにね。わたしが、あなたの所へお嫁に来た時は、大変な風だったですよ。もう、寒くて寒くて、祝言どころではありませんでしたよ。」
「あげだったのう。はでばねあがぁたんびに おらも思えだいちょうわな。」 「そうだったのう。はでばに上がるたびにわしも、あの時のことを思い出しているんだよ。」
 
※「出雲のことば早わかり辞典」(牧野辰雄氏著)に掲載されているコラム「こばしま」を引用させていただきました。コラム「こばしま」は、「平田だんだん」の会で昭和60年から平成2年まで発行されていた季刊情報紙「平田ふるさと情報」に掲載分と、「平田ふるさと情報」の編集委員の一人でもあった地元童話作家の常松秀延先生のオリジナルな書き下ろしを転載したものです。
 ”こばしま”とは、平田弁で「昼食と夕食との中間食で午後3時〜4時ごろの食」と言う意味で別に「はしま」とも言われいます。