「出雲の方言」を紹介するコーナー。
 みなさん、「ズウズウ弁」ってご存知ですか? 出雲の方言、「出雲弁」の別称です。「出雲弁」と言うよりも「ズウズウ弁」の方が通りがいいみたいですね(インパクトが大きいせい?)。
 では、「田舎言葉・ズウズウ弁」の日常会話をご披露いたしましょう♪(出雲へお越しの際には、ぜひ使ってください)
○出雲弁 ○標準語訳
〜まき
〜まき(粽・ちまき)〜
「おばば てごさかね。」 「おばあさん。お手つだいしましょうか。」
「おん、てごしてもうは えが ちらかしだねじ。」 「うん。手つだってもらうのはよいが、よごすじゃないよ。」
「わかった。えしこに しいけん てご しいが。」 「わかっている。いい具合にするから手つだうよ。」
「えんま おばばが 粉を こねぇけん ちょっこし まっちょれよ。」 「今、おばあさんが 粉をこねるから、ちょっと待っていなさいよ。」
「めじで こねぇかね」 「粉は 水でこねるかね。」
「えんや。まきの粉は あちいで こねえもんだじ。」 「いやいや、まきの粉は熱い湯でこねるもんだよ。」
「まきの粉は だんごの粉と ちがぁかね。」 「まきの粉は、だんごの粉とちがいますか。」
「おん。もち米の粉が ちとよけ はえっちょうけん ねばぁがあぁわな。」 「うん。もち米の粉が多く入っているから、ねばりが あるんだよ。」
「さ、こねたじ。こげな 大きさに まぁめぇだじ。こらこら、ちと 口と 手を はなえてやらにゃ おまえ ごぼじが おちいがね。」 「さ、こねたぞ。このぐらいの大きさにまるめてね。おいおい、少し 口と手をはなしてやらないと、よだれが落ちるじゃないか。」
「そうだてて、もう ほしわね。まんだ くゎれんかね。」 「それでも、もう、ほしいもの。まだ食べれないの。」
「まんだ まんだ。こうを かやで まえて、えでて かんさんね そなえてから だなけな くゎれんわな」 「まだ まだ。このだんごを かや(茅)で巻いて、それから茹でて、神様にお供えしてからでないと 食べられないよ。」
「ほーん。ほとけさんねも そなえな えけんね。」 「ふうん。仏様にも供えなくては いけないね。」
「そげだ そげだ。おまえ ええこと いいの。そおだども かやや しょうぶや よもぎのねおい、なんてて えわれん え ねおいだらが。」 「そうだ そうだ。お前 なかなか、いいことを言うね。それだけれども茅や菖蒲や蓬の匂いは、なんとも言われん いい匂いでしょう。」
「ほんとだ。おばば、しょうぶの ひゃった ふろは えがねぇ。」 「本当に。おばあさん菖蒲が入った風呂は いいもんですね。」
「そげだ。え もんだじぃ。」 「そう そう、いいもんだねえ。」
 
※「出雲のことば早わかり辞典」(牧野辰雄氏著)に掲載されているコラム「こばしま」を引用させていただきました。コラム「こばしま」は、「平田だんだん」の会で昭和60年から平成2年まで発行されていた季刊情報紙「平田ふるさと情報」に掲載分と、「平田ふるさと情報」の編集委員の一人でもあった地元童話作家の常松秀延先生のオリジナルな書き下ろしを転載したものです。
 ”こばしま”とは、平田弁で「昼食と夕食との中間食で午後3時〜4時ごろの食」と言う意味で別に「はしま」とも言われいます。