「出雲の方言」を紹介するコーナー。
 みなさん、「ズウズウ弁」ってご存知ですか? 出雲の方言、「出雲弁」の別称です。「出雲弁」と言うよりも「ズウズウ弁」の方が通りがいいみたいですね(インパクトが大きいせい?)。
 では、「田舎言葉・ズウズウ弁」の日常会話をご披露いたしましょう♪(出雲へお越しの際には、ぜひ使ってください)
○出雲弁 ○標準語訳
〜ぼんさん
〜ぼんさん(お盆)〜
「ぼんさん ぼんさん この ふにのって とう ごだっしゃいよ。」 「盆さん 盆さん この火に 乗って 早くおいでなさいよ。」
「ぼんさん ぼんさん とう ござっしゃいよ。」 「盆さん 盆さん 早くおいでなさいね。」
「あぁ、 こうで ぼんさんが ごだっしゃぁぞ。」 「ああ、これで やっと 盆さんが おいでになることだよ。」
「ぼんさんてて だぁかね。」 「盆さんというのは だれのことですか。」
「そらの ほとけさんのことだわな。えちねんに えっぺん えのちへ もどらっしゃぁけん もてなえたり、おがんだり せにゃならんわな。」 「ああ、それはね 仏さんのことをいうのだよ。一年に一回、この家へお帰りになるのだから、御馳走したり おがんだりして おもてなししなくてはならんのだよ。」
「ホーン。なして、ふ たかにゃ ならんかね。」 「フーン。一体 どうして 火をたかなくてはならないのですか。」
「そら、ぼんさんが ごだっしゃぁね どこえきて えだい わからんけん、あんないの ためだわな。」 「それはね。仏さんが おいでになる時に どこの家へ行ってよいかわからないから 案内のために 火をもやすのだよ。」
「ホーン。なして おがら たくかね。」 「フーン。じゃあ、なぜ おがら(麻の幹)をたくのですか。」
「まえまえから、おがらたくことね なっちょうだけん わからんがのう。」 「うん、それはね。以前から、おがらをたくことになっているので、くわしい わけはわからないがね。」
「ぼんさんが えなっしゃぁ ときも ふたくが あら なしてかね。」 「仏さんが 墓へ帰られる時にも 火をたくが あれはなぜですか。」
「あらの、来年も また 来て ごしなはいよと たのんでの、まめで おかぁましやね てて えのってだわの。」 「あれはね。来年もまたおいでなさいよとお願いし、無事にお帰りなさいよと祈って 火をたくのだよ。」
「ぼんさんてて、そぎゃんことが わかぁだらかね。」 「仏さんは、そんなことが わかるのだろうかなあ。」
 
※「出雲のことば早わかり辞典」(牧野辰雄氏著)に掲載されているコラム「こばしま」を引用させていただきました。コラム「こばしま」は、「平田だんだん」の会で昭和60年から平成2年まで発行されていた季刊情報紙「平田ふるさと情報」に掲載分と、「平田ふるさと情報」の編集委員の一人でもあった地元童話作家の常松秀延先生のオリジナルな書き下ろしを転載したものです。
 ”こばしま”とは、平田弁で「昼食と夕食との中間食で午後3時〜4時ごろの食」と言う意味で別に「はしま」とも言われいます。