「出雲の方言」を紹介するコーナー。
 みなさん、「ズウズウ弁」ってご存知ですか? 出雲の方言、「出雲弁」の別称です。「出雲弁」と言うよりも「ズウズウ弁」の方が通りがいいみたいですね(インパクトが大きいせい?)。
 では、「田舎言葉・ズウズウ弁」の日常会話をご披露いたしましょう♪(出雲へお越しの際には、ぜひ使ってください)
○出雲弁 ○標準語訳
〜ふてぶう
〜ふてぶう(揺り動かす)〜
「こら、ちょうど えとこで出あったわ。なんと おかっつぁん。今度の運動会ね ふとつ めじえれ競争ね 出てごしなはぁませんか。」 「あっ。ちょうどよい所で遭いました。なんと奥さん、あなた今度の運動会に、ひとつ水入れ競争に出てくださいませんか。」
「まぁじ なんかともえば そぎゃんこと。なんが出来ましかね。この ばば ちかまえて。」 「まあ、何かと思えば、そんなこと。なんで出来ますもんか。この年寄りをつかまえて。」
「えんや めやしことだがね。お前さんね、えっしょびんね ひゃった めじをだしゃえがね。お前さんの前のしが えっしょびんね めじをえれられえけん、その めじ出しゃえがね。」 「いやいや、やさしいことですよ。あなたはね、一升瓶に入った水を出しさえすりゃいいのですよ。あなたの前の人が、一升瓶に水を入れられますから、その水を出せばいいのですよ。」
「ほんなら、めじを えれたぁだえたぁ かわあばんこかね。」 「じゃあ、水を入れたり出したり、交互にするのですね。」
「そげ、そげ。お前さんは わかぁが はやて えわ。」 「そうそう。あなたは、本当に理解が早くて助かりますわ。」
「また、そぎゃん おだててからね。そうで、どげしゃえかね。」 「また、そんなお上手つかって。それでどうすればいいのですか。」
「めじをはやね出しねは、びんのしりを ふてぶりゃえがね。」 「水を早く出すには、瓶の尻の方を揺り動かすようにすれば、いいのですよ。」
「ほんなら こげかね。」 「それじゃあ、こうですか。」
「そら、お前さんのしりだがね。お前さんの しり ふてぶったてて めじは はやはやね 出えせんわね。びんをかえさめねして、びんのしりを まわしやね ふてぶうだがね。」 「そんな あなたのお尻を動かすのではありませんよ。あなたの尻を動かしても 水は早く出ません。瓶をひっくり返して 瓶の尻をまわすように揺り動かすのですよ。」
「ほんなら、こげだかね。」 「では、こうですね。」
「おーん。そげだ。お前さんは手ちきがえわ。こうなら勝てえじよ。ほんならおかっつぁんたのんだじね。」 「うーん。そうそう。あなたは手つきがよろしいわ。これなら、勝てるに決まっている。そんなら奥さん、たのみますからね。」
 
※「出雲のことば早わかり辞典」(牧野辰雄氏著)に掲載されているコラム「こばしま」を引用させていただきました。コラム「こばしま」は、「平田だんだん」の会で昭和60年から平成2年まで発行されていた季刊情報紙「平田ふるさと情報」に掲載分と、「平田ふるさと情報」の編集委員の一人でもあった地元童話作家の常松秀延先生のオリジナルな書き下ろしを転載したものです。
 ”こばしま”とは、平田弁で「昼食と夕食との中間食で午後3時〜4時ごろの食」と言う意味で別に「はしま」とも言われいます。