| ○出雲弁 |
○標準語訳 |
|
〜ふてぶう〜
|
〜ふてぶう(揺り動かす)〜
|
| 「こら、ちょうど えとこで出あったわ。なんと おかっつぁん。今度の運動会ね ふとつ めじえれ競争ね 出てごしなはぁませんか。」 |
「あっ。ちょうどよい所で遭いました。なんと奥さん、あなた今度の運動会に、ひとつ水入れ競争に出てくださいませんか。」 |
| 「まぁじ なんかともえば そぎゃんこと。なんが出来ましかね。この ばば ちかまえて。」 |
「まあ、何かと思えば、そんなこと。なんで出来ますもんか。この年寄りをつかまえて。」 |
| 「えんや めやしことだがね。お前さんね、えっしょびんね ひゃった めじをだしゃえがね。お前さんの前のしが えっしょびんね めじをえれられえけん、その めじ出しゃえがね。」 |
「いやいや、やさしいことですよ。あなたはね、一升瓶に入った水を出しさえすりゃいいのですよ。あなたの前の人が、一升瓶に水を入れられますから、その水を出せばいいのですよ。」 |
| 「ほんなら、めじを えれたぁだえたぁ かわあばんこかね。」 |
「じゃあ、水を入れたり出したり、交互にするのですね。」 |
| 「そげ、そげ。お前さんは わかぁが はやて えわ。」 |
「そうそう。あなたは、本当に理解が早くて助かりますわ。」 |
| 「また、そぎゃん おだててからね。そうで、どげしゃえかね。」 |
「また、そんなお上手つかって。それでどうすればいいのですか。」 |
| 「めじをはやね出しねは、びんのしりを ふてぶりゃえがね。」 |
「水を早く出すには、瓶の尻の方を揺り動かすようにすれば、いいのですよ。」 |
| 「ほんなら こげかね。」 |
「それじゃあ、こうですか。」 |
| 「そら、お前さんのしりだがね。お前さんの しり ふてぶったてて めじは はやはやね 出えせんわね。びんをかえさめねして、びんのしりを まわしやね ふてぶうだがね。」 |
「そんな あなたのお尻を動かすのではありませんよ。あなたの尻を動かしても 水は早く出ません。瓶をひっくり返して 瓶の尻をまわすように揺り動かすのですよ。」 |
| 「ほんなら、こげだかね。」 |
「では、こうですね。」 |
| 「おーん。そげだ。お前さんは手ちきがえわ。こうなら勝てえじよ。ほんならおかっつぁんたのんだじね。」 |
「うーん。そうそう。あなたは手つきがよろしいわ。これなら、勝てるに決まっている。そんなら奥さん、たのみますからね。」 |