「出雲の方言」を紹介するコーナー。
 みなさん、「ズウズウ弁」ってご存知ですか? 出雲の方言、「出雲弁」の別称です。「出雲弁」と言うよりも「ズウズウ弁」の方が通りがいいみたいですね(インパクトが大きいせい?)。
 では、「田舎言葉・ズウズウ弁」の日常会話をご披露いたしましょう♪(出雲へお越しの際には、ぜひ使ってください)
○出雲弁 ○標準語訳
〜あくだれもん
〜あばれ者〜
 えっころ前の ことだったのう。そらあ そらあ じけ えちばんの えけじ子が おったがの。  だいぶん前のこと。それはそれは村一番のいたずらっ子がおりました。
 えけじどころか がいな がいな あくだれもんで もう しまちね ちがだったげな。  いや、いたずらどころか、たいへんな あばれ者で 全く始末につかぬほどでした。
 その あくだれもんが ああふ 山へ えきて たけえ たけえ 木ね のぼって 遊んじょったげな。  そのあばれ者が、ある日、山へ行って高い高い木に登って遊んでいました。
 そげしたら どげしたことだい 枝が折れて しまってからね そのあくだれもんは、あおのけね ぼろけたわな。そげしたら、足の骨は折れえし、腰はおちし、歩けもせんだけん おじよっちょった げな。  そうしたらどうしたことか、木の枝が折れてしまって、そのあばれ者は あお向けに落ちてしまいました。そうしたら、足の骨は折れるやら、腰は打つ、歩こうにも歩けず、うなっていました。
 そげしたら、えぐあいに となりの えんきょが通って 声かけたが えたして えたして あじっちょったげな。そうでも、あじいこじいて はて もどったげなが あやくちゃの ねことだったげな。  そうしたらちょうどいいことに、そこへ隣の家の隠居さんが通りかかって声を掛けましたが、もう難儀で難儀で困り切っていました。でも、それでも、もがき苦しんで、這(は)うようにして家に帰ったそうですが、始末がつかんことだったようです。
 
※「出雲のことば早わかり辞典」(牧野辰雄氏著)に掲載されているコラム「こばしま」を引用させていただきました。コラム「こばしま」は、「平田だんだん」の会で昭和60年から平成2年まで発行されていた季刊情報紙「平田ふるさと情報」に掲載分と、「平田ふるさと情報」の編集委員の一人でもあった地元童話作家の常松秀延先生のオリジナルな書き下ろしを転載したものです。
 ”こばしま”とは、平田弁で「昼食と夕食との中間食で午後3時〜4時ごろの食」と言う意味で別に「はしま」とも言われいます。