「きき酒」について解説するコーナー
〜 「酒の背景を知りましょう」 〜
 仮に、「木香」が感じられるA酒があるとします。その木香の原因が下記のどれにあてはまるかによって、A酒の評価が大きく変わってきます。
1."樽酒"として販売される酒(杉樽に約2週間貯蔵)。
2. 醪へのアルコール添加時期が早すぎたため、酒中にアセトアルデヒド含量が多く木香様の香り。
3. 火入れ時期に新しい木蓋を使用し貯蔵。
4. 不良な活性炭素を使い濾過したため、炭素から木香移行。
 項番1は、木香は必要な香りであるため、その香りが適度であるかにより評価を行います。項番2は技術が未熟であると思われます。項番3と4は注意していれば防げたミスです。よって、項番2〜4は悪い評価となってしまいます。
 きき酒をする人は木香の原因が何であるかを瞬時に判断しなければなりません。A酒が樽酒であることが判っていれば直ちに項番1ということになりますし、酒の味が非常に若ければ、項番2だろうと推察できます。
 以上のように、きき酒はわずかな情報や手掛かりにより、酒の背景を推察しなければなりません。それができるようになるには、清酒の造り方や香味物質についての深い知識が必要不可欠となります。