「やまいち」さんから松江の旬の料理を紹介するコーナー。
 「やまいち」さんの調理した松江の旬の料理を、直筆の”一言”を沿えて御紹介致します。
〜 「津田かぶ漬」 〜
 

What's 「かぶ」?
●津田かぶ
 宍道湖を渡る季節風が肌を刺す季節になると、勾玉(まがたま)のカタチをした深紅の「津田かぶ」の収穫が始まり、山陰を代表する冬の味覚として全国に届けられます。
 津田かぶは江戸時代、松江市津田町付近の菜園場に近江(滋賀県)から日野かぶを移植したのが始まりです。そして、その後の改良で現在のように外皮は鮮紅色で中は白いという独特の津田かぶが完成しました。
 松江名物の津田かぶは赤かぶの名品で、そのぬか漬けは食卓の菜として、またお茶請として供されます。ビタミンABCやミネラル、キトサンが豊かでヘルシーでもあり、さわやかな甘さの中にかぶ本来の旨みと独特の香りが生きて、シャキッとした歯ざわりに昔懐かしいひなびた味わいが甦ります。青葉の部分もあわせてぜひ、お召し上がり下さい。
●『かぶ』のちょっとした読物
<最も古い重要野菜の一つ>
 かぶはアフガニスタンあたりか、これに地中海沿岸の南ヨーロッパを加えた地域が原産地と言われています。ヨーロッパで紀元前から栽培され、今では世界中の温帯地方で広く栽培されています。日本には、弥生時代に大陸から伝わったといわれています。確かなのは「日本書紀」に持統天皇の7年(西暦693年)に五穀(主食)を補う作物として栽培を奨励するおふれを出したと記されているのが最初です。日本では、このように古くから土着して多くの地方品種が成立し、世界的にみても品種発達の重要な中心地となっています。
<ヨーロッパでは飼料用も>
 18世紀、イギリスで始まったノーフォーク農法では、耕地を四区に分け、その一区に飼料用かぶなどを栽培し、飼料を確保しました。現在もヨーロッパでは飼料用としてかぶが多く栽培されています。
<かぶは頭の意味>
 頭を振ることを”かぶり”を振るといいます。頭にかぶるものに”かぶと”があります。かぶの古名は、”あおな”または”かぶらな”といわれていましたが、これは根だけでなく葉を重要視してきたためといわれています。「延喜式」には根も葉も漬物にされ、種は薬用にしたという記録があります。
<春の七草の一つ>
 春の七草の”すずな”はかぶのこと。”すずしろ”はだいこん。よく並んで語られ、だいこんに似ていることから、その仲間と思われがちですが、 かぶは同じアブラナ科でもはくさい、こまつななどと祖先を共にする野菜です。