「やまいち」さんから松江の旬の料理を紹介するコーナー。
 「やまいち」さんの調理した松江の旬の料理を、直筆の”一言”を沿えて御紹介致します。
〜 「赤貝と分葱のぬた」 〜
 

What's 「分葱、赤貝」?
●分葱(わけぎ)
 わけぎは、秋から冬にかけての緑黄色野菜が不足する時期に旬になるため、ぬたあえや鍋物などで見かけることが多い食材です。
 外見を見ると葱と良く似ていますが根元の部分が少し丸みを帯びて膨らんでおり、葱よりも葉の部分が細くなっているのが特徴です。というのも、 わけぎは葱の変種で、ユリ科の多年草・シベリア地方原産です。葱の種子栽培に対し、ユリ科のわけぎは球根栽培で、球根になる分少し根元が膨らむのです。
 株別れする葱をわけぎと呼ぶことがあるようですが、本来のわけぎとは別の種類ですので間違えないよう注意して下さい。
●赤貝
 すし種としておなじみ赤貝は殻の大きさが10cm以上にもなる大きな二枚貝です。殻の表面には縦に走る深い42本前後の溝があり、黒い繊毛におおわれています。殻を 開けると内側は白色で、身は鮮やかな赤い色をしています。赤貝という名は、この身の色からついたもので、チ(血)ガイとも呼ばれています。
 赤い色は血液中にヘモグロビ ンという色素があるためです。 独特のシコシコした歯ごたえがおいしく、彩りもよいので 、すし種としてもよく使われています。 肉の中央部分を「タマ」その周囲の部分を「ヒモ 」といいますが、ヒモは珍味といわれています。
 赤貝は栄養的には、ビタミンB1・B2を比較的多く含み、ビタミンAも貝の中では優れた含有量を誇ります。また、肝臓の働きを活発にするといわれるグリコーゲンや、コレステロールを低下させ、強心作用などがあるタウリンも豊富。鉄分やカルシウム、カ リウム、亜鉛も含んでいます。
●参考:出雲地方の『アカガイ』

 出雲地方では、「サルボウ」のことを方言で「アカガイ」又は「アカガエ」と呼んでいます。
 昔は中海漁師の冬春の本業で、反り子舟を揺すって桁曳き網(けたひきあみ)で獲る苛酷な労働でした。和名を藻貝というように藻場に棲む貝です。その豊かな浅い藻場が干拓工事で消え、海底がヘドロ化したため絶滅しました。残念ながら現在我々が食しているのは、かつて稚貝を移出していた児島湾や有明海産のものです。
 しかし、今でもアカガイを食べる習慣は変わらず、煮付や佃煮にして食卓を賑わせています。