酒蔵での出来事を酒造道具、スタッフを交えて紹介するコーナー。
− No.2 −
●酒蔵の作業
【精米開始】

精米作業

左:精米前、右:精米後

 10月中旬を過ぎると、酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)が続々蔵に入ってきます。11月から『蔵入り』なので、精米師は当面の酒造りに必要な米をこの時期までに精米しておかなければなりません。そのため、他の蔵人よりも早く蔵入りして精米を始めるわけです(精米場・精米機等の掃除及び点検も精米前に行います)。

【酒造好適米】
 酒造好適米とは、読んで字の如しで酒造りに適したお米の事を言います。
 酒造りの米は、まず、大粒であることが第一条件です。食用米の千粒重(せんりゅうじゅう:玄米千粒の重さ)は22〜25gなのに対し、酒造好適米は25〜30gと米の一粒一粒が充実して大きく重くなっています。  酒造好適米には、玄米を精米した白米の芯に乳白色の不透明な部分が多く見られ、これを心白と言います。この心白の発現率が80%以上と高いことも酒造好適米の特徴の一つです。心白のある酒造好適米は、大粒で高度精米にも耐えやすいため、吟醸酒を造るのに適しています。 また、「外硬内軟(がいこうないなん)」と呼ばれる蒸した時に粒の外側が硬く内側が柔らかいという性質や、アミロペクチンの含有が食用米に比べ少ない為、粘り気が無くさばけの良い蒸米になりやすいという特徴があります。
 その他、酒造好適米の特徴としては、麹が作りやすい、糖化性が良い、さらに吸水性に優れ、醪の中で溶けやすく、酒に雑味を与えるタンパク質の含有量が少ないことなどが挙げられます。
 「豊の秋」で使用される主な酒造好適米には、「山田錦」、「改良雄町(かいりょうおまち)」、「五百万石」、「神の舞(かんのまい)」、「幸玉(さちたま)」などです。
【精米の目的】
 玄米の表層部や胚芽には、麹菌や酵母の増殖、発酵促進には過剰な灰分やビタミン類、また必要以上に多いと製成酒の香りや味を劣化させるタンパク質や脂質が多く含まれています。これらは醸造管理を困難にさせることから、醸造上で不必要な成分を取り除く操作を行います。これが精米です。
【精米歩合】
 精米の程度は、精米歩合で表します。重量(精米歩合)を求める式は次のようになります。
   精米歩合(%)=(白米重量kg/玄米重量kg)×100
 通常食べている飯米の精米は、精米歩合90〜92%。普通酒の醸造用白米の精米歩合は70〜75%、吟醸酒だと約50%、大吟醸酒になると35%です。 50%にするまでには約48時間かかります。
 食用白米(飯米)の精米には、強い圧力をかけて米同士の摩擦が生じるように、ロール軸が横方向に取り付けられている横型精米機を使用しますが、醸造用白米(酒米)は、米の内部に近づ くにつれて米の組織がかたくなり、搾り取るという作業では、精米は進行しません。従って、削り取るという操作が行える、ロールの回転軸が縦方向に取付け取り付けられている醸造用竪型精米機を用います。

 
●酒造道具紹介
【米計量器】
 米粒大の穴が縦10個×横10個=100個あります。この穴の中に米を入れることにより100個単位で米粒をカウントできます。『千粒重』の場合、これを10回繰り返して行い合計1000粒の米を採取し重さを量ります。玄米、白米どちらでも利用できます。
 
【米の試料皿】
 この皿に玄米又は精米後の白米を入れ、米の状態を観察します。
 
●酒造りスタッフ紹介
上濱 智信【うえはま とものぶ】
(今、この文章を入力している本人です)
■プロフィール
 平成11年4月 入社。
 平成11年 洗い物と力仕事と蔵の雑務をする蔵人。
 平成12年 蔵人の業務、精米・釜屋の助手(不在時はやらせていただいてます)。
■ちょっと一言
 夏場は、店でWeb担当(メルマガ、HP作成等)。冬場が酒造りなので夏場のうちに1年間のメルマガのネタを作り貯め…もう、必死です。HP更新は随時やってます(?)ので見て下さい。
 早く一人前の「酒造り職人」になりたいです。