「米」について解説するコーナー
〜 「米の主な成分」 〜

1.デンプン
 含量は、約70〜75%を占めます。デンプンはブドウ糖が多数連結して鎖状に長く伸びた「アミロース」と、鎖状のブドウ糖が次々と枝分かれして樹状の構造をした「アミロペクチン」から成ります。
 デンプンは、麹菌が生産したいくつかの糖化酵素のうち、はじめに「αアミラーゼ」という酵素によってブドウ糖が数個から10数個結合した鎖の状態にまで寸断されて溶け出ます。鎖はさらに「グルコアミラーゼ」という酵素によってブドウ糖の段階へと分解されます。
 単糖類であるブドウ糖は酵母のエネルギー源として利用できます。ブドウ糖の一部は、他の糖化酵素の働きによって、2個から4個結合した多糖類に合成されて残り、日本酒の甘味やコクに関与するエキス分となります。
 玄米にはデンプンの他に、微量の庶糖、ブドウ糖が含まれており、また、わずかに繊維質も含まれています。
2.水分
 玄米の水分は14〜15%が標準です。米の水分はその品質、特に貯蔵性と密接な関係があり、水分の多い米は貯蔵性が低くなります。
3.タンパク質
 7〜8%含まれていますが、米の内部と表層とでは含有量と性質が異なります。
 醸造の場合におけるタンパク質は、麹菌の生産した「酸性プロテアーゼ」によって、アミノ酸にまで分解されます。自然界のアミノ酸は20種類知られていますが、この20種類のアミノ酸が無限の組み合わせで結合し、酵素や生物体を構成します。
4.脂質
 2%程度含まれています。脂質を構成している脂肪酸は、「不飽和脂肪酸」と「飽和脂肪酸」があり、これらは清酒の香気成分の生成に影響します。
 脂質は糖層、胚芽部分に多く、内部にいくに従って不飽和脂肪酸の占める割合が低くなり、「芳香」に寄与する飽和脂肪酸の割合が高くなります。
5.灰分
 約1%含まれており、糊粉層、胚芽部分に多く含まれています。その中で「カリウム、リン、マグネシウム、カルシウム」の4成分が酒造りにとっても重要な主成分となっています。
6.ビタミン
 ビタミンは胚芽部分に多く含まれており、ニコチン酸、B1、B2、B12と呼ばれる各種の水溶性ビタミンB類が主として含まれます。