「米」について解説するコーナー
〜 「軟質米と酒造好適米、精米歩合」 〜

○軟質米と酒造好適米
 酒造業界でいう軟質米はこれまでの酒造実績に基づき、以下の性質のある米をいいます。
 1. 吸水性が良い
 2. 麹菌がよく破精(はぜ)込む(白く見える菌糸の状態)ので、良い麹がつくりやすい
 3. 酒母やもろみ工程で溶けやすい
 こういう条件を満たしているのが「酒造好適米」です。酒造りに使われている米は全て酒米といっていいわけですが、通常は酒造用に特に品種改良した米をいい、その中で産地や品種銘柄について農林水産省の指定を受けたものを特に「酒造好適米」と呼んでいます(産地毎の酒造好適米はこちら)。

○精米歩合
 精米の目的は、玄米外表部のタンパク質、脂質その他、酒の香味や色を劣化させるものを取り除いて、これらの成分をなるべく少なくすることです。
 そして、その精米の程度を表す言葉が「精米歩合」で、精米前の玄米量と精米後の白米量から次の式によって計算されます。
 精米歩合(%)=(白米(kg)/玄米(kg))×100
 しかし、よ〜く考えてみて下さい。精米することで、玄米の全てが予定の精米歩合の白米となるわけではありません。精米機の金剛ロールに傷があって砕米(さいまい)が出来やすいとき、精米操作が雑であるとき、精米を短時間であげるため無理をしたとき、玄米自体が悪いときなどは、「悪い米」が混じってしまい「真の精米歩合」が算出されません。
 ですから、上記の計算は「見掛けの精米歩合」ということになります。では、「真の精米歩合」はどうやって算出するのでしょう。ここで、前回お話した「千粒重」が登場します。精米後の白米を「試料皿」にとり、全体に粒形が揃った白米だけを抽出し、千粒重を量ります。玄米も同様の方法で千粒重を量り、以下の計算で「真の精米歩合」を算出します。
 真の精米歩合(%)=(白米千粒重(g)/玄米千粒重(g))×100
 これにより、玄米整粒が何%の白米整粒に変化したかを表す歩合が出ます。この真精米歩合から見掛け精米歩合を引いた値が「無効精米歩合」となります。
 無効精米歩合(%)=真の精米歩合−見掛けの精米歩合
 この無効精米歩合の値が低ければ低いほど「良好な精米!」と言えます。逆に無効精米歩合が高いということは、それだけ黒い米(玄米に近い米)です。例えば、精米歩合70%の白米であっても、無効精米歩合が5.0%であれば実際は「70+5.0=75.0%」の白米で清酒を造っていることになります。ですから、酒造期間中は何度か無効精米歩合をはかり、精米の良否を判定することが重要です。