「水」について解説するコーナー
〜 「有効成分」 〜

1.麹菌と酵母の増殖、酵母の発酵に役立つ成分
 カリウム、リン酸、マグネシウム等は、麹菌と酵母の増殖を助ける重要な成分です。これが不足すると、製麹(せいきく)工程における麹菌、酒母工程における酵母の増殖が遅れ、正常な製造管理ができなくなります。
 しかし、これらの成分は、醸造用水に不足していても米の成分として蒸米中に十分に含まれており、蒸米から溶出した分で足りると言われています。ただし、カリウムについては、洗米・浸漬工程で米から流出しやすい成分なので、流水下で米を浸漬した場合、カリウムが流出しすぎて順調に麹菌を育成させることができません。
 リン酸は米の中では単独で存在しているものよりも、脂質やタンパク質などと結合している場合の方が多く、一度酵素によって分解されてからでないと酵母が利用できません。
 「宮水」は、カリウム、リン酸を多く含むことが知られており、醸造用水として好ましい成分を備えていると言えます。
2.麹からの酵素溶出を助ける成分
 クロールとカルシウムを含む水は、麹からの酵素の溶出を助け、蒸米の糖化や成分の分解を促進します。このことが間接的に酵母の活動を円滑に行わせていることになります。

米と水との無機成分含量の比較
70%白米
宮水11種平均
酒造用水56点平均
(除宮水)
カリウム
362ppm
20ppm
12ppm
リン酸
1240
5.2
0.4
マグネシウム
124
5.6
7.0
カルシウム
56
37
27
クロール
80
32
46
ナトリウム
60
32
32
※「最新酒造講本」((財)日本醸造協会発行)より、引用させていただきました