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〜 「十神山(とかみやま)の不思議」 〜
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旧暦十月は、全国の八百万(やおよろずの)神々が出雲へ集まられます。安来港を望む十神山は、そのような神々の御旅所だったため、昔から人々は十月には登ることが禁じられていました。
ところが、その昔、安来の新町の若い漁師が、かねがね十月に登山したいと考えていました。この若者は恐れを知らぬ性分で、宮相撲でも三役級でした。
ある十月の晴れた日の午後、彼はこっそり登って行きました。頂上で彼が見たものは、数名の神様が車座になって酒宴を張っているところでした。神々は彼に酒を勧め、こう言われました。
「これは不老長寿の酒である。おまえが今日あったことをだれにも言わないと約束するなら、おまえは永遠の命を保証されるであろう」
驚いた若者は、あわてて答えました。
「ありがとうございます。私は決して他言するようなことはいたしません」
それからの若者は、人が変わったように無口となり、心配した仲間たちがあれこれ聞いても、ただ笑っているばかりでした。
しかし、言うなと言われれば言いたくなるのは人情です。翌年の秋祭りの酒の席で、ついに彼は前年の出来事をしゃべったのでした。人々は驚き、それが真実であると知りました。なぜなら、話し終わった彼がいつの間にか眠るがごとく冷たくなっていたからです。 |
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(安来市誌)
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