日本酒の醸造−醸造工程別解説
(酒造り工程図と照らし合わせてご覧下さい)
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| 『蒸し』 |
●蒸しの目的
蒸しの目的は、適度に水を吸わせた生米を、蒸気で加熱することによって、米のデンプンをα化(注1)し、麹菌の生産する糖化酵素の作用を受けやすくするためである。
また、加熱によって米を殺菌し、以後の醸造工程を安全に遂行するためでもある。
よい蒸米とは、さばけがよくて外硬内軟なもの。つまり、完全にα化され、適度のかたさを保ち、表面がべたつかないものを指す。蒸米の硬軟は、以後の製麹管理と醪中の米の溶解に
大きな影響を与えるので、大変重要な工程である。 |
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(蒸し工程中に約10%の吸水が行われるので、米処理工程の吸水率合計は38〜40%程度になる。)
注1:生の澱粉に水を加えて加熱すると澱粉は膨潤して糊化し酸素によって分解されやすくなる変化
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| ●蒸しの設備 |
<甑(コシキ)>
昔から、白米を蒸す装置として、甑という杉材でつくった桶を使用してきた。底部中央に 釜で発生した蒸気を取り入れる甑穴があり、その上に蒸気を分散させるコマを置き、さらに
その上にサナを置き、浸漬米をはりこむ。
最近は、口径を大きくして、蒸米の取り出しに都合のよい深さにした、アルミニウムやステンレス製のものが多く使用されるようになった。
金属製甑は、熱伝効果から木製に比べ内側に水滴が生じ、内壁接触部分にやわらかい蒸米((甑肌という)ができるので外壁の保温をしなければならない。
甑内の米置き順序は、下から留添え、中添え、初添えの掛米、酒母米、麹米とする。蒸し時間は蒸気が米層を抜けてから30〜60分間で、予定時間が経過した後、バーナーを止め、
蒸気抜きをして蒸米を取り出す。 |

▲和釜と甑
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▲各種のコマ
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<自動連続蒸米機>
蒸気層の中をベルトコンベア方式によって、米を連続的に移動させて蒸す横型連続蒸気機 と、円筒の内部から連続的に米を入れ、下部から蒸気を吹き込んで蒸し、蒸し米を下から落とす竪型連続蒸米機がある。
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●蒸米の冷却
蒸米は掛米としてそのまま仕込みに使用される区分と、麹に使用される区分の二つに分けられる。掛米はさらに酒母、初添、中添、留添と区分され、それぞれ仕込み温度が異なるた
め、使用区分に適した温度まで冷却しなければならない。
この工程の中で、空気を蒸米層に通しファンで強制吸引し、蒸米から蒸発潜熱を奪うことにより冷却し取り出すことが広く行われている。冷却温度は米層の厚さと排風量と、取出しコンベアの運転速度によって調節するようになっている。
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●蒸米の輸送
冷却を終了した蒸米は、使用目的に応じた室、装置やタンク内に運搬する。人力、各種の コンベア、エアーシューターなどを用いて行う。
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