生もと
第1日 蒸米放冷  
生もと造りではかなり低温で仕込む。高温だと「早湧き」といって野生酵母に汚染されやすく、香気の良い酒になる。
そのため、蒸米の熱気を抜いた後、布に包んで十数時間、冬の冷気でゆっくり冷ます。 (埋け飯)
   
  包み  
   
  埋け飯
(いけめし)
 
     
  蒸米の手入れ かきまぜて希望する温度まで下げると同時に、外部と内部を均一化する。
     
   
(半切桶へ蒸米秤込み) 蒸米を計量して半切桶へ
  ※半切桶は8枚で酒母タンク1本分
(半切桶へ麹秤込み) 麹を計量して半切桶へ
(潰砕混合) 蒸米や麹のこごりを砕いて混合
(汲水) 水を計量して半切桶へ
(飯合わせ) 全体を混合(木のへらを使う)
     
  仕込み  
     
     
     
     
  手もと 数時間後、米が水分をすっかり吸収した頃、木のへらで全体を混合。(均一化と米粒の軟化のため)
     

第2日 荒踏み
(あらふみ)
生もとには色々流儀があり、最初は米が硬いため足で踏む方法もあった。ただ、現代では米の精白も良く、さほど硬くなく、衛生的でないために、初めから櫂棒(かいぼう)を使って「一番摺(すり)」をする方法をとっている。
     
  二番摺    
     
  三番摺 さらに2回櫂棒(蕪櫂(かぶらがい))ですりつぶす。
     
  打込み
(折込み)
半切桶2枚を1枚に合併(8枚→4枚に)
     
  時掻き
(ときがき)
時々へらなどで攪拌、均一化させる。
     

第3日 打明け
(もと寄せ)
半切桶の中味を全部1本の酒母タンク(壷代)にあける。
     
  打瀬
(うたせ)
もと摺が終わってから暖気入れを行うまでの低温の期間。
この間に硝酸還元菌、乳酸菌など有用微生物の遷移
(次々に支配的な微生物が交替すること)が順序正しく行われる。
     

第5〜6日 初暖気 湯を詰めた湯たんぽのようなもので、酒母タンクの中を攪拌し、温度を少しづつ上げ、糖化を促進させる。
     
  (前暖気期間) 初めて暖気樽を入れることを「初暖気」といい、その後毎日「暖気入れ」を行う。
温度が上がって麹による糖化がすすむと、栄養分が増えるので、乳酸菌が活発に乳酸をつくる。
この時、甘酸っぱいヨーグルトのような状態になり、乳酸の働きにより雑菌は皆無である。
ここで純粋酵母(協会酵母など)を添加する。空気中の「家つき酵母」(蔵に自生している酵母)によることもある。
     

第13日 膨れ
(ふくれ)
酵母の増殖で、炭酸ガスを発生してくる状態。
     

第14日 湧付き
(わきつき)
ブツブツ発砲を始めたら、更に品温を上げると白い軽い泡があがってくる。
     
  湧付き休み 高泡になったら「暖気入れ」をしなくても自然に温度が上がってくるため、加温は休む。
     

第17日 ギリ暖気 ギリとは回転のこと。暖気樽を回しながら丹念に攪拌する。
     
  温み取り暖気 熱湯を入れた暖気樽で、急に品温を上げること。弱い酵母を淘汰するのが目的。
生もとや山廃酒母では行うが、速醸酒母では酵母の死滅が多くなるので行わない。
     
  最高温度 温み取り暖気の後、品温が最高になる。
     

第19日 分け 半切桶に分けて冷却し、酵母を休ませる。(3等分くらい)
     

第21日 戻し もう一度、酒母タンクに戻す。
     
  熟成 使用までの期間を「枯らし」という。この期間の長短が酵母の強さや老若と関係する。
     
  枯らし期間 弱い酵母だとこの間に死滅して上澄みが生じるが、生もとの場合は1ケ月以上も上澄みしない。
     
  使用