松江地伝酒どら焼 キレイな焼き上がりとコクのある「どら焼き」

江戸・宝暦年間(1751年~1764年)に創業し、お茶処松江の和菓子の伝統を守り続けているのが「高見一力堂」。 伝統的な和菓子だけではなく、手軽におやつとして食べていただけるものとして新たに作ることになった「どら焼き」。その「どら焼き」の方向性を決めたのが出雲地伝酒との出会いでした。

食感の向上を求めて探していた中で出会った「出雲地伝酒」

高見一力堂では、新たにどら焼きを商品に加えるにあたり、既存にあるどら焼きと違う特徴を出したいと考えた。
はじめは東京のスーパーの関係者から聞いた東北地方の料理酒を入れて米を炊くとふっくらと仕上がると聞き、実際に取り寄せてみりんの変わりに使ってみたがうまくいかなかった。そんな中、地元の出雲地方にある独特の料理酒「出雲地伝酒」があると聞き、試してみようと思い立った。

キレイなきつね色の仕上がり

出雲地伝酒は独特の味わいがあり、地元の郷土料理やかまぼこなどに使用されていたが菓子の材料として使われている前例がなく、社内でもためらいの声があった。しかし、実際に生地に使用してみるとこれまでのどら焼き特有の「こげ茶色」の焼き上がりではなく、キレイなきつね色に焼きあがったことで驚いた。

高級備中産小豆のあんとコクのあるカステラで美味しさが引き立つ

みりんを加えない生地で焼き上げたカステラはコクがあり、上品な甘さに仕上がった。そのことであんの良し悪しが分かりやすくなった。そこで、より美味しいどら焼きに仕上げるために、小豆の中でも最高級とされる備中(岡山県)産のものを使った上品な甘さのあんを合わせることで、カステラ、あんともに旨さが引き立つどら焼きが完成した。

職人の手が生み出す、伝統の菓子 ~高見一力堂~

「松江地伝酒どら焼」は、販売前の段階から偶然口にした方から注文を受けるなど、良い反応が続き、販売開始2ヶ月で1万個が売れたそうです。多くの人に親しまれるどら焼きは、お菓子を作り上げるための素材にこだわり、一つひとつ手作業で仕上げる丁寧な姿勢から生まれたんだと感じました。

工場で作業風景と工程を職人さんの腕を称えながら説明される高見社長の誇らしげな姿勢が印象的でした。

有限会社 高見一力堂

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主な商品
錦小倉、姫小袖、ハーンの羊羹など