2020年12月15日
令和2酒造年度の新酒1号を本日しぼりました。
今年の米は硬いってことでキレがよく、スッキリしたお酒になるような傾向です。
さてお酒ってどうやって搾るの?という話になるのですが、ひとつはこのような装置を使います。
薮田式自動醪搾機、現場では「ヤブタ」と呼んでいます。
一本の蛇腹をぐっと押して搾り出してるように見えがちですが、じつはバラバラの板に分かれてます。この板と板の間にモロミが入ります。
板は圧縮空気を入れて風船のように膨らむようになってます。膨らんだ板に押されたモロミは、板にかぶせてある布で漉されて澄んだお酒として染み出してきます。
外から見てても動きがないのと、スイッチポンで済んでしまうのでこれといった見どころはございません。この場面を取材に来られると申し訳ない気持ちになります(笑)。ただスイッチポンに到るまでに、板や布を一枚一枚洗ったり金具を取り付けたりといった準備に時間を取られます。
最初のうちはポンプでモロミが詰め込まれていく圧力だけでお酒が漉されて染み出してきます。布がまっさらなので、布の目をすり抜けた固形物でちょっと濁ってます。「あらばしり」という部分です。
布の目が詰まってくると、澄んだ山吹色のお酒が貯まっていきます。発酵による炭酸ガスを含んだピチピチしゅわしゅわしたお酒に触れられるのは蔵人の醍醐味です。