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  • 酒粕取焼酎を造っています

    酒蔵はいま

    新酒造りが始まる前に、前年度の酒粕を蒸留して酒粕取焼酎を造るのが米田酒造の秋の風物詩です。

     

    この秋に収穫された新米のもみ殻を酒粕に混ぜ、それをセイロで蒸して常圧蒸留するのが米田酒造のスタイルです。

     

    こうしてできる焼酎はさまざまな成分が含まれ、個性的な風味となります。

     

    そのため、飲用よりは酒粕床や「あご野焼き」、自社の本みりんなどの加工食品に使われることがほとんどです。

     

     

    そして残った焼酎粕は農家に渡り堆肥になります。

     

     

     

     

     

     

  • 仕込んだ梅酒のその後

    酒蔵はいま

    6月に梅酒を仕込みました。9月に入ると、酒に漬けていた梅の実を取り出します。

     

    この梅の実を取り出すタイミングは色々意見があるところですが、雲州梅酒では漬けてから3ヶ月です。

    上:仕込み直後

    下:3か月後

     

    酒に梅を漬けてからはただ放置しているだけではなく、時々かき混ぜ、成分や香味の変化を調べています。

     

    すくい上げた梅たちは、しわしわの皮だけになったもの、酒をたっぷり含んでタプタプになったものなど、それぞれしっかり働いてくれたんだなあという姿で現れます。

     

    その中でも、果肉の状態の良いものを選別して販売しています。

    梅酒の梅

    https://shop.toyonoaki.com/?mode=grp&gid=430960

     

    一方、梅の実を取り出した梅酒はこれで完成ではなく、上澄みをさらに数ヶ月熟成させるてからの製品化になります。

     

    ひとつづつ夏場の蔵仕事が終わっていき、次の日本酒仕込みが近づいてきます。

  • ひやおろし

    酒蔵はいま

    全国的に秋の季節限定酒「ひやおろし」が販売さる時期になりました。
    豊の秋でも2022年は9月7日に「純米 超超辛口ひやおろし 生詰原酒」を発売します。

     

     

    今年の豊の秋のひやおろしは、精米歩合をオール65%にスペックアップ。

    日本酒度+15の超辛口で出します。

     

     

    勘の良い豊の秋ファンはお気づきでしょうか、これ、夏の生酒と同じ原酒です。

     

    3月末に搾った生原酒を冷蔵貯蔵して5月に割水してアルコール分14度にして発売したものが「夏の生酒」になりました。

    一方、冷蔵貯蔵ではなく、タンクに火入れ貯蔵し、9月まで静かに寝かせてから割水も火入れもせず瓶詰めしたものを「ひやおろし」としました。

     

    今年の夏の生酒を飲まれた方は、搾ってからの工程の違いによる味わいの違いをお楽しみください。

    この「ひやおろし」から初めて超辛口を飲むよという方は、「特別純米 雀と稲穂」などと飲み比べてみると、甘口と言われがちな「豊の秋」の本気の辛口を感じていただけると思います。

  • ゆず酒のこと

    酒蔵はいま

    米田酒造では、梅酒のほかにゆず酒を造っています。

    ゆず酒についてあまり触れてこなかったので改めて紹介します。

    商品情報「豊の秋 ゆず酒」

     

    梅酒の姉妹品として製造・販売が決まったのが5年前。試作を重ね、この味で行こうと決まったのが、ちょうど8月でした。。。

     

    梅酒が生の梅を漬け込んでから製品になるまで1年かかるのに対して、ゆず酒は冷凍された果汁を混合するだけなので1日で造れます。

    梅酒が時間とともに色味や風味に深みが増し味わい深くなるのに対して、ゆず酒は時間とともに売りである鮮やかな黄色やフレッシュな風味が損なわれていきます。

    そのためゆず酒は、特定の時期にまとめて造る(仕込む)ということをせず、都度少量ずつ製造出荷しています。

     

    ゆず果汁は、島根県益田市美都町産です。益田市美都町は島根県西部にあり、中国地方有数のゆず産地です。ここ松江市よりも広島市の方が近いという位置にあります。

    そもそもは松江かせめて出雲地方のゆずを使いたい気持ちもありましたが、品質が市場で高く評価されており、安定した供給を受けられることから美都町産ゆず果汁を使うことに決めたのでした。

     

    ゆず果汁は18L容器に冷凍された状態で入荷されます。

    このゆず果汁は、収穫したその日に加工場で搾汁・ろ過・加熱殺菌・充填(18Lキューブ)・冷凍貯蔵(-25℃)が行われたものです。まさに採れたて搾りたてに近いストレート果汁を使うことができます。ここのゆず果汁は黄色く熟したゆずを皮ごと丸搾りしているので甘味が多く、また、ほどよい苦味があります。

     

    このゆず果汁に、自社製の純米酒を混ぜます。この純米酒は島根県産五百万石を100%使用しています。カクテルベース用日本酒として発売した「豊の秋 MOTOZAKE 純米」の原酒です。カクテルベース用とは言いますが、非常にオーソドックスな造りでまさに豊の秋といった風味の純米酒です。

     

    これに水に溶かしたグラニュー糖を加えます。糖類も何種類も試してみて、スッキリとキレ良く自然な感じに甘味を加えることができたのがグラニュー糖でした。

     

    実際の製造は、カクテルのようにゆず果汁・純米酒・グラニュー糖と水を混ぜるだけです。ゆず果汁の割合は20%です。

     

    よく混合させたらすぐにストレーナーを通して瓶詰めした後、瓶火入れして急冷します。

     

    瓶の上部がちょっと見苦しい状態になりますが、これはゆずの香気成分の主体で、これを取り除くとゆずの風味が弱くなるものです。しっかり混ぜてゆずの風味を堪能してください。

     

    まだまだ暑いこの季節には、ソーダと半々で割るのがおすすめです。

     

    商品情報「豊の秋 ゆず酒」

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

  • みりんの上槽をしています

    酒蔵はいま

    夏の酒蔵の仕事のひとつが「みりん」の上槽です。
    みりんのモロミは3月末に米麹、蒸したもち米、アルコールをタンクに加えて仕込んでいます。

    搾るまで約4か月間じっくり時間をかけて糖化させ、木ふねで搾ります。仕込みから搾りまで手作業で行っています。

    搾った後は滓を沈殿させ、綺麗な上澄みをタンクに貯蔵し1年以上熟成させます。

    しっかり熟成させることで、糖分やアミノ酸など様々な成分が複雑に反応して味や香りがまろやかに、そして美しい琥珀色になります。

     

    本みりん「七宝」の歴史

    日本でのみりんの起源は諸説あるようですが、江戸時代には料理に使われていたようです。

     

    しかし、みりんが現在のような風味になり、また一般家庭に普及し始めたのは第2次世界大戦後と言われています。

     

    明治29年(約125年前)に米田金五郎が創業した米田酒造では、明治42年にはみりんの製造免許を取得しています。

     

    当初は「寶(タカラ)」味醂と名乗っていたようです。

     

    大正3年(約110年前)の雑誌には「(米田金五郎)氏の『寶』味醂もまた良品である」と書かれおり、当時から高品質のみりんを造っていたことが伺えます。

     

    大正6年に「七寶(シッポー)」の商標を取得し現在に至ります。(「七宝」と表記する場合が多いです)

     

    令和元年現在、全国に95者しかない「みりん製造者」のなか、米田酒造は松江で100年以上、伝統的製法でみりんを造り続けています。これからも地域の食に欠かせないものと使っていただけるよう精進してまいります。

     

    商品詳細はこちらです

    本みりん 七宝

    本みりん 七宝(酒粕取焼酎仕込)

    本みりん 七宝きらり(米焼酎仕込)

     

     

    参考

  • 地伝酒の上槽

    酒蔵はいま

    前回、地伝酒のモロミに木杯を入れから数日後、上槽です。

    地伝酒の灰入れ

     

    地伝酒は清酒と同じように「木ふね」で手作業でしぼります。(写真は過去の作業時のものです)

    この後も清酒と同じように、滓を沈殿させ、ろ過をしたりして精製します。この時にモロミに入れた木灰は取り除かれ製品に残りません。

     

    さて、しぼったばかりの地伝酒と、しぼってから1年以上熟成され現在市販している地伝酒を並べてみました。左がしぼりたて、右が市販のものです。

    しぼったばかりでも、アミノ酸と糖分の多さからすでにみりんのような色合いです。製品化による加熱処理や熟成によってアミノ酸と糖分が反応して右のように赤味を帯びます。これは、味噌や醤油が褐色になるのと同じ仕組みです。地伝酒は木灰によってアルカリ性になっているため、より赤味を帯びやすくなっています。また赤味を帯びるにしたがって、コクや香りも増していきます。

     

  • 地伝酒の灰入れ

    酒蔵はいま

    地伝酒を仕込んでから約4カ月、じっくり発酵させて、そろそろ搾るという時期になりました。

    R3BYの終盤、地伝酒を仕込んでいます

    地伝酒造りの”キモ”が、搾る前にモロミに木灰を添加することです。

    これにより酸性となっているモロミを中和し、弱アルカリ性にまで傾けることで保存性を高めるということです。このため地伝酒は「灰持酒」(あくもちざけ)と呼ばれる酒のひとつになります。これに対して、清酒は火入れ(加熱殺菌)によって保存性を高めるため、「火持酒」(ひもちざけ)と呼ばれていたようです。

    ※戦時中に製造が途絶えた地伝酒を平成2年に復活させた米田酒造の「出雲地伝酒」は、搾った後と出荷前の2回の火入れも行っています。

     

     

    木杯が均質に混ざるように、モロミを少量ずつ汲み出してはそこに木灰を人力で混ぜていきます。

     

    木灰を混ぜた少量のモロミをまた元の仕込みタンクに戻し攪拌したあと、そこからまた少量モロミを汲み出し木灰を混ぜていく、これを繰り返します。

     

     

    この数日後、清酒と同じように搾ることになります。

     

  • 梅酒を仕込んでいます

    酒蔵はいま

    4月に日本酒造りが終わり、5月に一息ついて、6月は梅酒の仕込みです。

     

    米田酒造の梅酒は、自社の日本酒と島根県産の梅、国産氷砂糖だけで造ります。

     

    日本酒は、梅酒のために特別に造っている酒ではなく、上撰や純米酒の原酒です。

     

    梅は、雲南市三刀屋町産と松江市八雲町産です。フレッシュで爽やかな香りと酸味の梅酒にするため、青くて固い状態の梅で仕込みたいので、集荷の連絡があったら即、集荷場に引き取りに行きます。持ち帰ったら即、水洗いして手作業でひとつづつヘタを取ってさっさと仕込みます。

     

     

    仕込タンクに、梅と氷砂糖を交互に敷き詰め、日本酒を静かに注ぎます。

     

     

     

    やっていることは家庭での基本的な梅酒作りそのものですが、家庭では20度未満のアルコールで梅酒を作ってはいけないのでお気を付けください。

     

    商品一覧ページ – 雲州 梅酒

    商品一覧ページ – 純米梅酒

     

  • そろそろ漬物用酒粕の出荷

    酒蔵はいま

    6月に入ると漬物用の酒粕を出すようになります。

     

    この酒粕は、昨年の11月から今年の4月にかけて造った酒(新酒)の酒粕です。

     

    酒粕は、しぼった直後から出荷するものと漬物用に熟成させてから出荷するものに分かれます。
    どっちも、もとはこのようにしてできた同じ酒粕です。

     

    漬物用に熟成させてから出荷するものは「踏込み粕」(ふみこみがす)と呼びます。

     

    しぼった直後の酒粕を空のタンクにためていき、人の足で空気を抜くように踏みしめて密閉・貯蔵します。なので「踏込み粕」といいます。
    その間に熟成が進んでしだいに柔らかくなり、赤味を帯びて、カラメルやナッツ、たくあん漬けのような香りが強くなります。

     

    この酒粕も、酒と同じように毎年同じようにいかず、「今年は柔らかい(硬い)ね」「色が付いてるね」「硬い粒があるね」という声をいただきます。

    毎年のお米が柔らかかったり硬かったりするので、それに合わせてお米が溶けにくいように、あるいは溶けやすいように酒の造り方を調整しています。また気温によっても熟成の進み方が違ってくるので、なんか去年と違うんだけど、ということも起こります。

     

    酒粕も自然に左右されるものと思ってみていただけると幸いです。

    米田酒造オンラインショップ
    「酒粕 (踏込み粕) 4kg」
    https://shop.toyonoaki.com/?pid=35966743

     

     

  • 夏の仕込み蔵

    酒蔵はいま

    蔵では火当てもすべて終わり、いつもなら6月の梅酒の仕込みまで束の間の落ち着いた時間を過ごします。

     

    蔵の中を横断していた蒸米搬送用ダクトなどの仕込み用の設備を解体し、一斉に洗浄を掛けたりして仕込み蔵は夏仕様に変わります。

     

     

    仕込み期間中は蒸米を広げて冷ますために使っていた場所です。

    夏のあいだ使わない酒造道具がなんやかやと集まってきます。

    ここは2階ですが、中には大きくて重いものもここに持ってくることもあります。

    かつては床板を外して、「アミダ」(阿弥陀車)という滑車的な道具を使って吊って上げ下げしていました。

    2枚目の写真左上にそれがありますが、車輪と車軸からできる形が阿弥陀如来の後光のように見えることから「アミダ」(阿弥陀車)と呼んでいるようです。