蔵人は今

“酒蔵はいま” カテゴリ の記事

全てのカテゴリの記事を表示

  • 夏の仕込み蔵

    酒蔵はいま

    蔵では火当てもすべて終わり、いつもなら6月の梅酒の仕込みまで束の間の落ち着いた時間を過ごします。

     

    蔵の中を横断していた蒸米搬送用ダクトなどの仕込み用の設備を解体し、一斉に洗浄を掛けたりして仕込み蔵は夏仕様に変わります。

     

     

    仕込み期間中は蒸米を広げて冷ますために使っていた場所です。

    夏のあいだ使わない酒造道具がなんやかやと集まってきます。

    ここは2階ですが、中には大きくて重いものもここに持ってくることもあります。

    かつては床板を外して、「アミダ」(阿弥陀車)という滑車的な道具を使って吊って上げ下げしていました。

    2枚目の写真左上にそれがありますが、車輪と車軸からできる形が阿弥陀如来の後光のように見えることから「アミダ」(阿弥陀車)と呼んでいるようです。

     

     

  • 火当てしてます

    酒蔵はいま

    蔵では火当ての作業が続いています。今年度搾った新酒を安全に貯蔵するためにとても重要な作業です。

     

     

    これは「蛇管」(じゃかん)という器具です。

    これを熱湯で満たした容器に沈めて、この蛇管の中に酒を通して加熱します。

     

     

    酒の加熱温度を67度をキープするように、長いときは3時間付きっ切りで監視します。

     

    蛇管から出てきた加熱されたお酒は殺菌されたタンクに送り込まれます。このとき蔵の中はお燗酒の匂いが充満します。

     

    タンクいっぱいまでお酒が入ったら密封して、タンクに水をかけて冷却します。

     

    このように加熱処理されたお酒は静かに熟成が進みます。

    これらの中から、夏を越した秋口に「ひやおろし」として商品化されるお酒があります。

  • R3BY 皆造とみりん仕込み

    酒蔵はいま

    4月8日、今年度すべての清酒のモロミを搾り終え、皆造となりました。

     

    今年はいつも使っている島根県産の五百万石が予想外に柔らかい年でした。米の柔らかい年は味が多すぎたり重い酒になりがちなので、吸水や追い水に苦労した年でした。

     

    またこの日は、みりんの仕込みを終え、甑倒しにもなりました。

     

    みりんは、米こうじと蒸したもち米をアルコールと混ぜることで造ります。

     

    まずタンクに溜めたアルコール(醸造アルコールや酒粕取焼酎)は外気温と同じぐらいの温度になっています。

    ここに米こうじと蒸したもち米(もち)を混ぜ込んでいき、仕込み直後の温度が45℃になることを目標にします。そのため、もちはかなりアツアツでなければなりません。地伝酒のようにダクトを使わず、人力でアツアツのもちを運ぶのでなかなかの大仕事です。

     

     

    この後も、ろ過や火入れ、蔵の片づけなどすることいっぱいですが、まずはほっと一息です。

     

     

  • R3BYの終盤、地伝酒を仕込んでいます

    酒蔵はいま

    11月から始まったR3BYの酒造も残すとこ半月(の予定)となりました。

     

    清酒の仕込みは終わり、ただいま発酵中で、搾りを待ちます。

     

    清酒の仕込みの次は、地伝酒の仕込みです。

     

    地伝酒も清酒と同じように酒母を造り、三段仕込みをします。大きく違うのは、米こうじが清酒の2倍、掛米がもち米、仕込水が清酒の約半分という大変濃厚な造りをするところです。

     

    少ない仕込水の中で蒸したもち米と米こうじを均質に混ぜるのは難しいので、米こうじを蒸したもち米にまぶしながらタンクに送り出します。

     

     

    蒸したもち米は、蒸し場から仕込みタンクまでの約40メートルを送風機による風の力でダクトホースの中を運ばれていきます。

     

    その日はある程度高めの温度で仕込む必要があったので、ややモチモチの状態で作業を進めていましたら、ホースの中で”もち”が詰まるトラブルに見舞われてしまいました。

     

    そんな感じで仕込んだ地伝酒は、これから約3ヶ月間じっくり発酵させてから搾ります。(清酒は3週間程度)

  • R3BY 酒造も佳境

    酒蔵はいま

    令和3酒造年度の酒造りも残すところわずかとなりました。ついこの前、初洗いだ、とか、初甑だ、とか言っていたのに今年最後の作業が増えてきました。

    そんな3月上旬は、純米辛口金五郎や、今年は超辛口となる夏の生酒の仕込みなどで忙殺されていました。

     

    夏の生酒や純米辛口金五郎は一本の仕込みで白米1500kgを使います。そしてすべて限定吸水します。この作業には3人の蔵人で延べ6時間を費やします。限定吸水ではない方法で同じ量を洗う場合、1人で延べ2時間半で終わるので、これは相当な労力です。

     

    10kgずつ、延べ150袋に分けた米を2分後ごとに洗米機に投入します。

    2分後、洗米機から出した米を一定の温度の水に漬けます。品種や精米歩合、用途によって水につける時間が異なります。水から引き上げたらすぐに脱水して目標の吸水率になったか計量します。目標の吸水率になるまで、秒単位で水につける時間を修正していきます。

     

    豊の秋の辛口は、辛口のわりに味わいも濃いめと言われます。そもそも出雲杜氏の造る酒は全国的に麹の使用割合が多いため濃いめのようです。その中でも豊の秋はさらに麹の使用割合が多いため、独特の辛口のあじわいが生まれるようです。

     

    がっつり造った麹の味わいを活かしつつ、なるべく水の量を控えてしっかり発酵させて濃いめの辛口を造るには、蒸米が溶け過ぎないように吸水を厳密にする必要があります。そのため、大変でも限定吸水という方法を選ぶのです。

     

  • R3BY 大吟醸 袋吊り

    酒蔵はいま

    2月中旬ごろになると、全国の酒蔵のSNSなどで「袋吊りしました!」という記事がたくさん流れるようになります。

    豊の秋でも同じころ大吟醸の袋吊りをしました。

     

    酒袋を吊るすことで、重力だけでモロミから酒を滴り落とします。余計な圧力がかからないので雑味が少なくなります。その分、そこから取れる酒の量は搾り機で搾るよりとても少量になります。

    滴る酒は、時間差で斗瓶に取り分けます。斗瓶ごとに滓の量がことなるので香りや味わいも微妙に違います。

     

    さらにその後は速やかに滓引きをし、瓶火入れをして酒質を安定させ、品評会に備えます。そもそものモロミの質もですが、搾った後の処理の腕も品質を左右します。

     

    全国の杜氏はこのようにして造った酒で品評会などで腕比べをしています。

     

     

  • 仕込後のモロミの変化

    酒蔵はいま

    仕込んでから1日後の様子です。水を吸った蒸米と麹がパンパンに膨らんでいます。

     

    上の状態から丸ー日後。酵母の発酵によって発生した炭酸ガスが、蒸米の割れ目から吹き出し始めました。

    まさにブクブク、グツグツと音を立てて泡立ちます。

    さらに丸一日後(仕込んでから3日後)。細かい泡で全面が覆われ、さわさわさわーっという音が聞こえてきます。これぐらいになると発酵による熱によってモロミの温度は仕込み直後から5~6度上昇しています。

    さらに丸一日後。泡はゆるくなって消え、表面はもう液体といった様子になります。炭酸ガスが弾けるピチピチシュワワワワーーーーーーーーという音が賑やかです。

    モロミはいつまで眺めていても飽きません。

  • 酒蔵の湯気は松江の冬の風物詩

    酒蔵はいま

    毎年11月から4月までほぼ毎朝8時から9時ごろまで酒造りのための米を蒸しています。

     

    その湯気が立ち上るのが遠目にもわかるのではないかと思います。

     

    松江日赤病院の病棟から見た朝の酒蔵です。ちなみに画面奥の山は嵩山(だけさん)と和久羅山(わくらさん)で、仏様が仰向けに寝ている姿に例えられます。

     

     

    そのころ中の人は、仕込みの準備に追われているので、客観的にその光景を見ることがありません。

    煙突の先端じゃないところから煙のようなものが昇っているのでびっくりする人もいるでしょう。煙突はかつて石炭などを燃やして窯の沸かしていた時の名残りで、今は使われていません。

    じつは昨年に続き今年も消防署に「火事だ!」と通報があり酒蔵がサイレンに取り囲まれました。

     

  • 立春朝搾り2022を仕込みました

    酒蔵はいま

    2022年1月13日、「立春朝搾り」のモロミを仕込みました。

    立春朝搾りは、2月4日の夜も明けない早朝に搾って瓶詰めし、その日のうちに加盟酒販店さんがお客様にお届けするという予約販売制のお酒です。

     

    モロミが順調に発酵すれば、仕込んでから搾るまでの期間はだいたい一定になるのですが、それでも決まった期日に仕上げるっていうのは神経を使います。

     

    モロミを順調に発酵させるには、お米(蒸米)の溶け具合をコントロールしなければなりません。

     

    お米が溶けなければ味わいが生まれませんし、溶けすぎても思うような良い酒になりません。

     

    豊の秋の吟醸仕込では、朝に蒸したお米を半日程度さらします。こうすることで再び硬くなり、ゆるやかに溶けるようになります。
    お弁当のご飯は冷めても柔らかいのが良いですが、お酒にする蒸米は硬くてパラパラとするようなのが良いですねえ。

     

     

    仕込むまでの間に混ぜ返して水分のムラをなくします。この時の蒸米の温度は6度でした。手も真っ赤になります。

     

    そうこうして夕方になるころにようやくタンクに仕込みます。

     

    「豊の秋 立春朝搾り」を買えるお店をこちらのページで紹介しています。
    https://www.meimonshu.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=1657

  • R3BY 木ふね搾り

    酒蔵はいま

    12月22日、豊の秋のR3BYしぼりたて販売第1号となる純米 豊の秋 生原酒 木ふね搾りを蔵出ししました。

    木ふね(木槽)という伝統的なしぼり機を使い、人の手でモロミを酒袋に詰めて積み上げていきます。

    純米木ふね搾りの酒米には島根県産の五百万石を使っています。この酒米は昨年に比べて今年は柔らかいので、お酒の方も昨年に比べてキレはそのままに味と香りにふくらみが出ています。

     

    またこのお酒は、しぼったままを無濾過で瓶詰めしています。そのため瓶の中でまだ酵母や酵素が活きており、刻々と酒質が変化していきます。

     

    まずは、しぼったばかりの”今”をお早めに味わっていただき、その後も2度3度とお楽しみいただければ幸いです。

     

    お求めはこちらから

    しぼりたて 純米 豊の秋 生原酒 木ふね搾り