蔵人は今

“2022年03月” 月間アーカイブ の記事

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  • R3BYの終盤、地伝酒を仕込んでいます

    酒蔵はいま

    11月から始まったR3BYの酒造も残すとこ半月(の予定)となりました。

     

    清酒の仕込みは終わり、ただいま発酵中で、搾りを待ちます。

     

    清酒の仕込みの次は、地伝酒の仕込みです。

     

    地伝酒も清酒と同じように酒母を造り、三段仕込みをします。大きく違うのは、米こうじが清酒の2倍、掛米がもち米、仕込水が清酒の約半分という大変濃厚な造りをするところです。

     

    少ない仕込水の中で蒸したもち米と米こうじを均質に混ぜるのは難しいので、米こうじを蒸したもち米にまぶしながらタンクに送り出します。

     

     

    蒸したもち米は、蒸し場から仕込みタンクまでの約40メートルを送風機による風の力でダクトホースの中を運ばれていきます。

     

    その日はある程度高めの温度で仕込む必要があったので、ややモチモチの状態で作業を進めていましたら、ホースの中で”もち”が詰まるトラブルに見舞われてしまいました。

     

    そんな感じで仕込んだ地伝酒は、これから約3ヶ月間じっくり発酵させてから搾ります。(清酒は3週間程度)

  • 「春の訪れ~大東町 河津桜」

    雲州松江の風景

    春が遂にやってきました。営業の河角です。雲南市大東町では河津桜が見頃を迎えています。全長約1キロの桜並木で、ソメイヨシノより開花の早い河津桜が春の知らせを告げています。

    河津桜は静岡県で発見された品種でピンク色がここまで鮮やかな桜は珍しいのだそうです。

    桜を楽しんでいる方がたくさんいました。

    春の陽気とマッチしてとても気持ちが良かったです。

    ようやく寒い冬が終わり春が来ました。春の新緑や桜の鮮やかさは気持ちをリフレッシュさせてくれます。市内のソメイヨシノも蕾が大きくなっています。その模様も次回紹介したいと思っています。皆様も春をお楽しみ下さい。

  • 酒造りにゆかりのある神社~佐香神社~

    雲州松江の風景

    春も近づきを感じる今日この頃、皆様いかかがお過ごしでしょうか?営業の河角です。出雲には「酒造りの神様」として酒造業者から信仰を集めている「佐香(さか)神社」(別名 松尾神社)があります。「出雲風土記」に「百八十神集ひ坐して、御厨を立て給ひて、酒を醸さしめ給ひき。中略、故、佐香といふ」と記されており酒造りの発祥の地とされています。室町時代から続く秋季例祭が行われ、年1石(180リットル)の酒造が許可されており、濁酒(どぶろく)を参拝客に振る舞う濁酒祭が有名です。

    出雲の地に佇む雰囲気は物静かで風で木々が揺れる景色はとても印象的でした。

     

    酒造りの神様だと一目でわかります。

    石段を登って行きます。横には神社まで登れる道路があるので足腰の弱い方でも安心していけます。

    階段の途中では椿が咲いていました。ちなみに椿は茶花とも呼ばれ茶の湯文化が盛んな松江市の市花にされています。

    狛犬です。島根県は来待石(きまちいし)という松江藩主が松江城など至るところにに使っていた石材があります。この狛犬も来待石で出来ています。

    こちらが佐香神社の拝殿です。

    佐香神社の神紋です。

    こちらが本殿です。ここで神様が集まりなんと180日間、宴会を続けるそうです。私もそんな集まりがあるのであれば是非参加したいものです(笑)

    ゆっくりと佐香神社で時間を過ごし、帰路につきました。雰囲気は個人的に1番好きな神社でした。是非出雲の酒造りの神社「佐香神社」お立ち寄りください。

    島根県で開発された酒造好適米「佐香錦」は「佐香神社」から名とった由緒ある酒米です。この佐香錦を使用した豊の秋の清酒があります。酒造りの神様がいる出雲の佐香神社に想いにふけながら島根の味、佐香錦を味わう最高のひと時をお楽しみください。オンラインショップにて購入できます。是非ご覧ください。

     

     

     

  • R3BY 酒造も佳境

    酒蔵はいま

    令和3酒造年度の酒造りも残すところわずかとなりました。ついこの前、初洗いだ、とか、初甑だ、とか言っていたのに今年最後の作業が増えてきました。

    そんな3月上旬は、純米辛口金五郎や、今年は超辛口となる夏の生酒の仕込みなどで忙殺されていました。

     

    夏の生酒や純米辛口金五郎は一本の仕込みで白米1500kgを使います。そしてすべて限定吸水します。この作業には3人の蔵人で延べ6時間を費やします。限定吸水ではない方法で同じ量を洗う場合、1人で延べ2時間半で終わるので、これは相当な労力です。

     

    10kgずつ、延べ150袋に分けた米を2分後ごとに洗米機に投入します。

    2分後、洗米機から出した米を一定の温度の水に漬けます。品種や精米歩合、用途によって水につける時間が異なります。水から引き上げたらすぐに脱水して目標の吸水率になったか計量します。目標の吸水率になるまで、秒単位で水につける時間を修正していきます。

     

    豊の秋の辛口は、辛口のわりに味わいも濃いめと言われます。そもそも出雲杜氏の造る酒は全国的に麹の使用割合が多いため濃いめのようです。その中でも豊の秋はさらに麹の使用割合が多いため、独特の辛口のあじわいが生まれるようです。

     

    がっつり造った麹の味わいを活かしつつ、なるべく水の量を控えてしっかり発酵させて濃いめの辛口を造るには、蒸米が溶け過ぎないように吸水を厳密にする必要があります。そのため、大変でも限定吸水という方法を選ぶのです。