松江の銘酒、豊の秋 - 「豊の秋」醸造元 米田酒造株式会社

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蔵人は今

美保神社 青柴垣神事

雲州松江の風景 | 2019年4月15日

4月7日(日)、松江市美保関町「美保神社」の「青柴垣神事」に行ってまいりました。

美保神社は全国の恵比須様の総本社であり、青柴垣神事は美保神社の御祭神 事代主命(ことしろぬしのみこと・えびす様)が父である大国主神(だいこく様)から国譲りの相談を受け、譲ることを進言した後、自ら海に身を隠したという故事を儀礼化したものである、とのことです。

神事について詳しくは美保神社のホームページをご覧ください。
美保神社 青柴垣神事
http://mihojinja.or.jp/sinji/02.php

4月7日が神事の当日ではありますが、前後含めて約2週間関連の儀式が続きます。そして神事の役は神社の神職だけでなく、一定の資格を持つ氏子(町民)から「みくじ」で選ばれ、その人は1年間衣食住に関する細かいしきたりを守り(例えば鶏や玉子を食べてはいけないなど)、清らかな体で神に仕えなければなりません。その日見物するだけでは計り知れない神社と氏子の密接な繋がりがあります。

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この日はいまにも雨が降り出しそうな曇り空で、テーマがテーマだけにどことなく陰を感じる神事に見えましたが、粛々と進む儀式を見守る町民のまなざしはとてもあたたかいものでした。

 

 

酒蔵の一部が「松江市登録歴史的建造物」になりました

酒蔵はいま | 2019年3月30日

酒蔵の一角にあり、今は貯蔵庫として使っている土蔵がこの度「松江市登録歴史的建造物」に登録されました。

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その建物がこちら。

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国道413号線(新大橋通り)に面しており、一般の方も外からご覧になれる建物です。

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松江藩時代に、財政立て直しのため、和ろうそくの原料となるハゼの実を集めロウの製造販売を執り行っていた「木実方」役所の一部建物でした。

その後、現在の島根県立松江工業高等学校の前身となる、私立修道館、工業学校修道館として使われた、と伝えられていました。修道館という名称は松江藩校に由来します。ちょっと脱線しますが、島根はバスケが盛んな土地であり、その松江工業はかつてバスケットボールで数回全国制覇するなどの古豪であります。

と、そう言い伝えられていたものが、この度どうやらそうらしいということで登録に至りました。

かつては道路の反対側にこの建物はあったそうで、跡地には碑が立っています。

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「松江市登録歴史的建造物」とは、松江の歴史的文化を伝え、歴史的景観を形成する貴重な歴史的建造物について、活用を通じて保全継承していくという松江市の制度です。
松江市「松江市登録歴史的建造物」制度について

登録により保全のための支援・助成を受けることができるようになります。これにより酒蔵が松江の歴史的なまちなみの形成に寄与できれば幸いと思っております。

 

お酒の分析って

酒蔵はいま | 2019年3月14日

お酒を仕込んで搾るまで、発酵中のモロミの日本酒度とアルコール度数を測定しています。

お酒を選ぶとき、甘口辛口の指標としてラベルに書いてある日本酒度を気にする方もおられると思います。

酒造の現場では日々、日本酒度とアルコール度数の変化を眺めて発酵の管理をしています。

お酒を仕込んだ最初のうちは米の糖分が多く、日本酒度は(ー)30よりも低い値です。

発酵が進むうちに日本酒度は(ー)30→(ー)10→(±)0→(+)3のようにプラスの方向に変化していきます。と同時にアルコール度数は次第に増えていきます。糖分がアルコールに変わっていること示します。この日本酒度がプラスの方向に変化していくことを現場では「メーターが切れる」なんて言ってます。発酵が順調だと日本酒度とアルコール度数は良いバランスで推移していくのですが、蒸した米の柔らかさや麹の出来、気温の変化などでバランスが崩れることがあります。そんなときは「(メーターの)切れがわるい」「切れすぎてイケん」と杜氏さんの機嫌がちょっと悪くなります(笑)

さて、そんなお酒(モロミ)の分析も、以前はガラス製の器具を使っていましたが最近振動式密度計を導入しました。

ガラスの浮標は誤差が大きくなることがあるのと取り扱いに神経を使うのでイライラの種でもありました。

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振動式密度計はスイッチポンで誰がやっても正確な値が出る優れもの。

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最近豊の秋の味が良い方向に変わったなと思われた方、こういう変化の影響もあるかもしれません。

 

大吟醸斗ビン取り

酒蔵はいま | 2019年3月1日

先日、大吟醸を搾りました。

全国の蔵のSNSなどでも「大吟醸を搾りました」という記事が同時に見られます。

特にこの時期の大吟醸は全国新酒鑑評会に出品するため、「袋吊り」という手法を用いて斗瓶(とびん)に貯蔵します。

「袋吊り」はモロミの入った酒袋を空中に吊るし、自然にお酒を滴らせることです。圧力を掛けてないので雑味が少なくなります。

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これを斗瓶と言う20リットル入るガラス製の容器に順次採り溜めていくわけですが、何番目の瓶に採ったお酒かで味が変わります。


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その中で最も優れた瓶のお酒を鑑評会に出品するわけです。

さらにここからいかに早くオリを取り除き火入れをして鑑評会に味のピークを持っていけるかということも技術になります。

お酒は搾って終わりではありません。

お酒の米洗い

酒蔵はいま | 2019年2月15日

お酒造りで使うお米は、食べるご飯と同様、使う前には水で洗って水を吸わせます。

酒造りの現場では、限定吸水と言って、米に吸わせる水の量を厳密に管理します。

使う用途、つまり、麹と掛米(初添・仲添・留添)では吸わせる水の量を変えています。カレーときにはご飯を固めに炊くようなものかな。

また品種や産地ごとに、もともと米が持っている水分を計りどれぐらい水を吸わせるかを決定します。

そして杜氏が長年蓄積してきたデータをもとに、例えば、「島根県産山田錦・精米歩合55%・麹用」なら何分何秒間水に漬けてみよう!、という具合です。

で、予定時間漬けたら即座にどのぐらい水を吸ったか計量します。重たければ次から引き上げる時間を短くし、軽ければ時間を延ばし、例えば目標より1%重ければ10秒短くしてみたり、0.5%軽ければ5秒延ばしてみたり、秒単位と言うのは大げさに言ってるわけではありません。

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豊の秋では数年前からMJPと言う装置で米を洗っています。ジェット水流と共に細かい気泡でやさしく米から糠やゴミを分離してくれる優れものです。

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これに10㎏ずつの米を入れては出して水につけを繰り返します。純米酒1本分だとのべ5時間かけて仕込みに使う米を洗ってることになります。

 

蔵に咲く花、花仙山椿

酒蔵はいま | 2019年1月31日

椿は松江市の市花であり、市内の道路案内やマンホールには椿がデザインされています。

そんなわけで、米田酒造の酒蔵の内外にも椿が植えられてます。(というか今の社長が植えた)

今ちょうど花仙山(かせんざん)という、玉造温泉で有名な玉湯町で発見(作出?)された椿がいつもよりちょっと早く咲き始めています。

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遠目には白に見えるけれど、よく見るとトキ(鳥の)色というかうすーいピンクがかかっていてとても可愛らしい椿です。(写真のは花弁が痛んじゃってちょっと美しくありませんが、、、

また、松江城の城山公園にはヤブ椿が群生している「椿谷」という場所があります。松江城を観光の際は天守だけでなくそちらの方もぜひ散策してみてください。

 

 

「打ち込み」っていう作業

酒蔵はいま | 2019年1月12日

以前の記事で三段仕込みについて書きましたが豊の秋では吟醸酒や数量限定品など少量仕込みのお酒については、「初添え」は本仕込み用のタンクに直接ではなく、枝桶(えだおけ)と言う小さなタンクに仕込みます。

いきなり大きなダンクに少量を仕込むと温度が下がりやすいためで、小さなタンクに仕込むことで保温しやすくして酵母の増殖を促します。「初添え」の翌日の「踊り」という期間を経て枝桶から本仕込み用のタンクにモロミを移して次の「仲添え」に備えます。

この枝桶から本仕込み用のタンクに移す作業を蔵では「打ち込み」と呼んでます。
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ひしゃくですくって人の手で運ぶっていう体力勝負、吟醸酒にはこんなところにも手間がかかってます。

木ふね搾り

酒蔵はいま | 2018年12月28日

12月16日、しぼりたて新酒の第1弾となる、「しぼりたて 純米 生原酒 木ふね搾り」のモロミを搾りました。

お酒を搾る装置のことを酒槽(さかぶね)と呼んでおり、現場ではお酒を搾ることを「ふねにのる」とか、単に「のる」って言います。またお酒を搾ることを上槽(じょうそう)と言うことから「アゲる」とも言ったりもします。

豊の秋では、通称「ヤブタ」と呼んでいる自動圧搾機と、「木ふね」と呼んでいる木製の酒槽があります。木ふねと言うけど、大部分がコンクリートにステンレス張りになっており、もはやハイブリッドな酒槽になっております。。。

さて、木ふねでの酒搾りは、もろみを酒袋につめ、酒槽の中に積み上げていきます。
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積んだ重さで酒袋からお酒がにじみ出てきます。

最初のうちは、積んでる作業の最中からお酒がにじみ出てくるんですが袋の目から細かい粒子がすり抜けていくのでにごりが多い。
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こういう状態のお酒を「あらばしり」と言っています。にごり(オリ)や、なじむ前の酒槽や酒袋のにおいがお酒に移ってることもありこれはこれで別にします。

次第に酒袋の目がつまっていき、にじみ出るお酒も澄んでくると「中取り」という状態になり製品に近いお酒になります、というかこれをそのまま詰めたのが「しぼりたて 純米 生原酒 木ふね搾り」です!
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その後、上蓋を下げて圧搾していきます。お酒の垂れる量をみながら蔵人が徐々に圧力を上げる操作をしていきます。

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そうやって圧力をかけられるところまでかけてぺちゃんこになったら、翌日酒袋を中央に寄せて積み直して再び圧搾して搾り切ります。
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この操作やこのとき出てくるお酒を「責め(せめ)」と言って、質が落ちるので「中取り」とは別にします。

以上これが「ヤブタ」だと、スイッチひとつで「木ふね」で搾れる倍の量のモロミを半分の時間で済ませることができます。
あえて手間のかかる木ふねで搾った「しぼりたて 純米 生原酒 木ふね搾り」には手作業の味わいも乗ってますのでどうぞお楽しみください。

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豊の秋の仕込水の水源へ

酒蔵はいま雲州松江の風景 | 2018年12月15日

米田酒造では酒蔵敷地に井戸を持っていません。なので車で約20分の郊外に水を採りにいきます。

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場所は松江市の忌部地区。松江と奥出雲の境目となるところです。

ここでは古代に朝廷に献上するために玉造の勾玉を洗い清めた「佐水(さみず)」が湧き出ており、松江市が近代化水道施設を建設する際の水源にも選ばれ、近くには現在も稼働する「千本貯水池(千本ダム)」があります。千本ダムは大正7年に造られた山陰初の水道用のダムで、2003年に日本土木学会選奨土木遺産、2008年に登録有形文化財に登録されています
土木学会 選奨土木遺産のページによる解説はこちら↓↓
http://committees.jsce.or.jp/heritage/node/289

 

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仕込み水の水源では水神様が祀ってあり、綺麗な水を好むイモリも遊んでいます。

というような場所で採れる仕込水は、柔らかくやさしい口当たりです。ある時、新入社員が昼食にカップ麺を食べようとしてたので仕込水のお湯で作らせたところ「いつもよりマイルドだ」と言ったぐらいと言えば水質を想像していただけるでしょうか・・・。

この日はまだ仕込みが始まったばかりの、のどかな秋の日でしたが雨の日も雪の日も毎日水を採りに行っています。ときには配水管が詰まったり、大雪でタイヤがはまったりとトラブルがおきますが今年も事故の無いよう安全運転で参ります。

日本酒の三段仕込

酒蔵はいま | 2018年12月1日

酒蔵では順調に仕込みが続いています。

日本酒では、一つのタンクにお酒を仕込むのにのべ4日間3回に分けて仕込みます。よく言われる三段仕込みと言われるものです。

一度に全量の麹と水と蒸米で仕込むと、酒母で造られた酸が薄まってしまい意図しない微生物に汚染されてしまうからで、小分けに仕込むことで安全に発酵に導くという狙いがあります。

まずは、本仕込の1日目「初添え」。比較的高い温度で柔らかい蒸米で仕込みます。

2日目は「踊り」と言って仕込みは休み。温度が下がらないように気を付けて酵母の増殖を進める時間です。

3日目は「仲添え」。初添えより硬くした蒸米で温度も低めに仕込みます。硬くするっていうのはざっくり言うと米の水分を少なくして蒸すってことです。

4日目は「留添え」。仲添えよりさらに硬くした蒸米と麹で10度以下の低温で仕込みます。この日をもって「もろみ」の1日目とします。ここから約3週間発酵をコントロールして搾ってお酒になるわけです。

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左から、「初添え」「仲添え」「留添え」。液面が上がってるのが分かるでしょうか?

前の杜氏さん、「初添え」「仲添え」「留添え」の蒸米の固さを「軟ー硬ー剛(ナンーコウーゴウ)」なんて表現してました。

このように単に仕込みと言っても、なかなか一言で済まないところもあり、真面目な蔵人さんの話が長くなるのはこのためです(笑)

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